短歌十首 【2024年4月まとめ】
茜さすうすむらさきのランドセル吾子のせなかはすこしおおきく
川辺には緋寒桜、見上ぐればわたしの春がリライトしてゆく
アスファルトつよく蹴りだし飛び立った背にはおおきなおおきな翼
ひるさがり耳朶のにこ毛が陽に透けてまどろむ吾子のぬくもりを抱く
花柄のたまのれん一緒につくったね 思い出は消えない祖母の家
雌伏する星霜を経し三柱は焔と凍りの竜を背負ひて
じゃがいもはじゃがいもらしくごろごろと推しに睥睨されてころがる
私にはコンビニエンスでなくなったファミマでひさびさに買うプリン
春燦々ふりそそぐ丘で寝そべった 地球の面にわれただひとり
なきがらをかくしたのです、あぢさゐのあをあをと咲く寺のお庭に
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