短歌十四首 【2024年5月まとめ】
【5月自選五首】
いっこ、にこ、たいせつそうに数えては路傍の石を貴石にしてゆく
あらたしき言葉を吸ひこむ 図鑑見てしーらかんすとくり返してゐる
泣きつかれしみいる甘さいつだってぼくの味方のフルーツオ・レ
はないちげ紅碧に咲く とほき日にきみとうずめし秘密の在り処
揺らく夢 ゆるされぬ夜に欠けてゆく月におぼゆる人のおもかげ
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春の道 吾子の歩幅に合わせればたくさん見つかるちいさなしあわせ
叱られて涙をこらふ子がむすぶ口のみごとなへの字がいとしい
すきま風感じればちょっと手の込んだ夕食つくってきみの帰り待つ
あふみのうみ見し人おもひて啼く鳥の瞳に咲ける夕映えの花
闇の色すべて呑みこみ手を伸べるきっと誰よりやさしいひとだ
まじわらぬ運命線を捻じ曲げてわたしがきみのラストガール
量産型、借り物みたいなアイデンティティ、だからこそ強くいられるわたし
告白を聞き終へてきみはうなづいた、弥勒菩薩の透徹な瞳で
自転車で坂道くだるあの夏の背中に感じた涙のぬくもり
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