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短歌まとめ📚

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碧乃そらが詠んだ短歌の月別まとめ、お題のまとめ一覧。
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2023年7月の記事一覧

短歌二十二首 【2023年6月まとめ】

短歌二十二首 【2023年6月まとめ】

明らけき夕星をもとめ飛び立てど雲紗の翼はかぎろひと消ゆ

梅雨雲に覆われたような偏頭痛 金糸梅のひかりが眩しい

連理草咲く野にささがにの糸をたよりて玉の緒留めてしがな

綺羅星のごとき空想 四歳児は荒唐無稽な夢を抱けり

揺れている笹舟は海へ辿り着くだろうか 僕は失意に溺れて

終点のバス停を降り畦道をスキップすればヒナゲシが揺れる

完全な正しさなんて要らないの チューベローズは狂おしく咲く

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短歌十五首 【2023年4・5月まとめ】

短歌十五首 【2023年4・5月まとめ】

何よりも俺を一番にしろと言う彼に攫われた手 青嵐

枯れることない花のようだ 永遠に僕の記憶のなかで君は微笑む

もの恋しく枸橘の花眺むれば 歌謡のごとき呼子鳥かな

曇り夜の惑へる吾は清麗なる心添はせて君影を追ふ

もうこれで終わりにしようと言う君の手を離さない 蜘蛛の囲を張る

22時と記す子どもの就寝時間 徒労の1時間は誰も知らない

あの子にもあるのだろうか欠点が たなびくきれいな黒髪は銀

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短歌八首 【2023年2・3月まとめ】

短歌八首 【2023年2・3月まとめ】

春の夜の夢にも出で来ぬ君なれば 梅の香たよる恋しき御影

あの頃のように愛してくれたなら 僕の血潮はアネモネとなろう

04515 僕らだけが知る暗号未来のオアシス信じて

霞立ち春をたづねて分け入れど 雪気の冴ゆる紫香楽の里

さくら味 季節限定のスイーツについ手が伸びる 春のラテマネー

アンパンマンのマーチを歌う 子とともに母も勇気と幸せもらう

長夜にて惑ひし吾を有明の月が導く柘榴の在り処

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短歌九首 【2023年1月まとめ】

短歌九首 【2023年1月まとめ】

ささなみの志賀の唐崎ぞ幸くある 高嶺を染むる雪のさやけさ

冬の暮 プラネタリウムで涙星 忘れないでね思い出のカペラ

碇星 三日月の舟に想い馳せ ボトルメールを宇宙に流そう

ひび割れた僕の心臓 君の手が治してくれたいのちの歯車

背が低いと言われて啜り泣く吾子の抱きしめる重さ、大きくなったよ

朝ぼらけ 洋盃に沈澱するように 冬靄かかる街の営み

窓を開け冬の色した深呼吸 文鎮を置くような静け

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