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短歌十五首 【2023年4・5月まとめ】


何よりも俺を一番にしろと言う彼に攫われた手 青嵐あおあらし

枯れることない花のようだ 永遠とわに僕の記憶のなかで君は微笑む

もの恋しく枸橘からたちの花眺むれば 歌謡のごとき呼子鳥かな

曇り夜の惑へる吾は清麗せいれいなる心添はせて君影を追ふ

もうこれで終わりにしようと言う君の手を離さない 蜘蛛のを張る

22時と記す子どもの就寝時間 徒労の1時間は誰も知らない

あの子にもあるのだろうか欠点が たなびくきれいな黒髪は銀河

大切なもの 掴み取るため青空に叫べ 僕らの青春ロック

母が積み重ねてくれた思い出の絵本を子らに読み聞かす千夜せんや

羽ばたいて雲の果たてに飛び込めばあなたのもとへ降れるでしょうか

空知らぬ雨を降らせるきみを守るためにぼくは傘になりたい

いつだって置いていかれる私だから「見つけて」と願い心を灯す

移ろひし四葩よひらにそそぐ通り雨 空に知られぬ恋ぞ哀しき

星屑のラプソディ 胸を締めつける切ない調べはあなたへの愛

きみの首すじに浮かぶ汗がひかり ソーダアイスがしゅわりと弾けた



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