散乱した詩

懐かしいような
寂しいような

泣き出しそうな
そんな気持ちだね

強さだとか
優しさだとか

生きていく力を
貴方から知ったんだと思う

今はもう
私も大人になったよ

背中を見ているだけじゃない
隣を歩けるよ

誰かの手を引いて
先を目指せるんだよ

私はね、君が

君の悲しみの中に
閉じ籠らないでいてくれたことが

明るい光の向こうから
生まれてきてくれたことが

最高に嬉しくて
何より幸せで

ちょっと能天気なくらい
単純に笑う君を見たときに

君が好きなんだ、って
そう思ってしまったんだよ

懐かしいあの頃を思い出したら
もう戻れないことを再確認してしまう

似通った声を聞いていれば
いつか貴方の言葉を忘れるのだろうか

それでも楽しげに笑った時間を
嘘ではないと知っている

そして今も変わらないことは
まだここに残っている

私はふと振り返っては
何度も愛しい世界に浸るのだ

あの星に成れなくても

夜空に憧れていた僕らはきっと
強さの意味を知っているはず

だから顔を上げられる
そして前を向ける

何度だって立ち上がれる

悲しみで蓋をされてしまったら
もう何処へも行けないよ

そうして狭まっていく世界では
あの下らない笑いですら許されないの？

ただ黙って積んだ石を眺めること
そんな風に貴方の顔を見たくないよ

貴方の背中ばかりを見て
歩いてきたわけじゃない

この道は
きっと私だけのもの

貴方の影に隠れるだけの
守られた世界は抜け出して

誰にも誇れない心でも
抱えて生きていく

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