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仕事つくる#25 仕事がつくれる営業マンは自社の商品を売らない

さて、本日も”仕事つくる”をテーマにnoteを更新していく。今回は私が尊敬する一人の営業マンについてお話ししていきたい。ちなみに、タイトルに書いた「仕事がつくれる」とは、受注できるという意味で用いている。仕事のはじまりは、商品ではなく受注であると思うわけだ。


関心してしまった2ヶ月目の新人営業マン

彼は私の4つ上にあたる元レスリング選手だ。大学から競技をはじめたにも関わらず、全日本選手権で7度の優勝を果たし、オリンピックまであとわずかのところで競技に区切りをつけ、保険業界に転身した男である。大学は違えど全日本合宿などでよく一緒になり、まっすぐに競技に打ち込む姿に当時から刺激をもらっていた。

それぞれが競技を引退してしばらくは疎遠になっていたが、共通の知り合いの伝手で、私が社会人2年目の冬に再び会うことになった。その時、彼は保険の営業マンとして活動しだしてからわずか2ヶ月目の新人であった。

東京近辺(厳密には埼玉勤務)で働いていると、生命保険の紹介はしょっちゅうある。3年間で5人ほど紹介があっただろうか。そして、そのほとんどが決められたいい文句で商品の説明をするマニュアル営業マンであった。

その中で、彼はその他の営業マンより確実に業界の知識を豊富に持っていた。というのも、質問すること全てに的確に答えてくれたからだ。わずか2ヶ月でこれだけの知識を獲得するのは不可能であると疑い問いただしたところ、やはり、営業開始前に宅建やファイナンシャルプランナーなどの資格を取得していたとのことだった。準備が尋常ではない。


自社の商品を売らない

話は続く。当時私は別の保険会社のプランに加入していて、新たに契約することは一切考えていなかった。とりあえず、彼に今の契約状況を見てもらうことにしたのだが、他社のプランにも関わらず、その仕組みをあれやこれやと説明してくれた。なるほどの連続である。

そして、最終的に他社のプランの見直しで終了した。「これは必要だけど、これはいらないよね」という感じ。その説明の中で、「自社だとこんな組み合わせができる」といったことは多少あったが、私が切り替えを望んでいなかったことを十分に理解していたので、現状でのベストを一緒に考えてくれた。結果的に15,000円を8,000円まで納得した上で切り捨てることができた。彼には大変感謝している。

前述した通り、彼から自社の商品の説明を受けた記憶がほとんどない。彼は、私が望むものをヒアリングした上で、業界全体の中からベストを提案してくれたのだ。


顧客のその先の顧客を掘り当てる

そうなると、顧客の心理はどうなるかというと、彼を紹介したくてたまらなくなるのである。即ち、顧客のその先の顧客にどんどん浸透していくのだ。仮に、目の前の顧客をなんとか説得して契約まで結びつけたとしよう。確かにその時点では数字を獲得できるかもしれないが、その顧客が後ろに持っているパイを掘り当てることができなくなる。

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売上=顧客×単価。この公式がある以上、顧客の数を増やすことは商売をする上で必然である。目の前の1を無理にとりにいくか、その後ろにある10に可能性を見出すか、結果は明白であろう。


自らの商売にも活かす

私は現在、レスリングウエアの企画、販売を行なっている。その商売をする上で彼から学んだことを存分に生かしているつもりだ。まず、顧客の望むものをしっかりとヒアリングすること。私の商品の強みは、オリジナルのデザインを安価で提供できることにある。反対に弱みは1から作成するため納期がかかることだ。

ここで、顧客が望む希望が納期優先であれば、納期を間に合わせてくれるその他のメーカーを堂々と紹介するようにしている。他にも、安価でつくれるところは探せばいくらでもあるので、予算が厳しい顧客には他社の商品を含めて顧客の目的を達成できるようにベストを提案することを心がけている。

業界全体の商品からベストを提案するためには、彼がそうだったように、豊富な知識がなければならない。そのためにも、常に情報を仕入れることは欠かせない。

そんなことを繰り返していく中で何が起こってきたかというと、その顧客自体が営業をしてくれるようになったのだ。私は今岡山県の山奥で生活している関係で直接試合会場に出向いたり、道場に訪問したりすることが難しい環境になる。商売を始める上で営業ができないことがネックであったが、それをクリアすることができた。この気づきを与えてくれた彼には感謝しなければならない。

自分の商売を持つと、小さな発見を小さく試すことができるからおもしろい。その成功体験がさらに勉強の意欲を駆り立ててくれる。まだまだできる工夫はたくさんありそうだ。

最後に。そんな私がつくっているレスリングシングレットのホームページはこちら。スウェットやTシャツなど、その他のチームウエアの製作も手がけているのでお気軽に相談してほしい。

https://mamo.style

また、保険でお悩みの方は彼におつなぎするので連絡をくれたらうれしい。

最後に宣伝を交えたところで、

ではまた。

noteの補足。端的にまとめるため、少し偉そうな書き方になっていますが、私はこの方を大変尊敬しております。それだけは伝えておきたかったです。

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半田 守
1990生、京都府出身。6歳からレスリングをはじめ、網野高校卒業後、専修大学へ進学しレスリング大学日本一になる。2018年から岡山県西粟倉村に移住し、自然エネルギーの勉強をスタート。同時にレスリングウエアブランドMAMOを立上げ、商品企画・販売を通して現役選手にエールを送り続けている。

MAMO:https://www.mamo-wrestling.com/
twitter:@handamamoru
note:”仕事つくる”をテーマに連載中!

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