見出し画像

仕事つくる#33 覚悟を持って負けない戦いだけを積み重ねていくこと

今日は負けない戦いを積み重ねていくことの大切さと、僕が実際にやっている具体的戦略についてまとめたいと思います。

直近の2年間で小さいながらM&Aを経験したり、コロナ禍で飲食宿泊業を経営してみたり、なかなか浮き沈みの激しい日々を過ごしてまいりました。いろんな痛い目を経験してきた僕が、最近自分自身に厳しく言い聞かせてること。それが、負けようがない戦いだけを積み重ねていくということです。マインドの話であり、戦略の話でもあります。「そんな人生つまらない」と言われたって気にしません。最後には必ず自分を助けてくれる結果が待っていると信じているからです。

今回は思考の整理のために書きますが、これから何かアクションを起こしたい人の参考になればうれしいです。僕のやっていることを例に出しながら深掘りしていきます。まずはとても大事な概念のお話しから。

気づきは孫子の兵法

負けようがない勝負だけを積み重ねていく。このことの大切さを植え付けたのが、有名な孫子の兵法です。そして僕が孫子の兵法の中で一番好きな節が善く戦う者は、勝ち易きに勝つ者なりというもの。

これを現代語訳すると、「昔から戦い上手といわれた人は、勝ちやすい機会をとらえて勝った。だから、その勝利は人目を引く勝ち方ではなく、智謀は目立たず、その武勇が称賛されることもない」です。

意味伝わりますか。要するに、ドラマや映画になるような劇的な勝利は望ましい勝利ではないということ。本当の戦上手は勝ちやすい状態を徹底的に作り込んでから誰にも注目されることなく当たり前のように勝利するものだと言っています。

実際、戦国時代に活躍した武将たちはみんなこれを徹底しています。開戦前の戦力で五分五分だった場合は必ず相手側に内通者を作り出し内側から崩していく。気づけば戦うまでもない状態になっていて、戦わずして降伏させるのです。戦国最高の戦上手と言われる羽柴秀吉が一番優れていた力は外交力です。あの手この手の外交で開戦前に徹底して相手を崩しきるのです。「戦わずして勝つ」は孫子の有名な節ですが言ってることは同じ。思うに、孫子が説いていることの全てが善く戦う者は、勝ち易きに勝つ者なりなのではないかと思うわけです。

戦国時代は、負けは死を意味しました。だからここまで徹底しているのです。現代はどうかというと、ビジネスで負けたとて命を取られるわけではないので戦国時代よりもやはりそこの感度が鈍いと思います。

人間はついつい注目を浴びたいという欲求から心にもない目立ったことをしたがる節があります。でもそれは先述したとおり戦上手とは言いません。僕にもその感情はありますが、それ以前に僕は負けたくなく、着実に階段を登っていきたいと思っているので、負けない状態をつくってからしか戦ってはいけないということを自分に厳しく言い聞かせています。

以降では、僕が実際にやっている「受注生産のものづくり」と「築古戸建の賃貸業」を例に出して解説していきます。

すこし話はそれますが、僕は本よりオーディオブック(耳学問)の方がすんなり脳みそに入ってきます。孫子の兵法も[超訳]孫子の兵法を作業中5回転ほど聞いてるうちに重要な部分が理解できるようになりました。オーディオブックは本が苦手な方にはオススメです。

負けようがない勝負 その1  受注生産

さて、ここからは僕が実践していることを例に出していきます。まず、受注生産という言葉を紹介します。その名の通り受注してから生産するという生産手段のことですが、これこそ負けようがない戦いの真髄です。

商売における負けは、売上より経費が膨らんでしまい赤字に転ずることです。物販でも飲食でもなんでもそうですが、売れないのに作りすぎると不良在庫になってしまい、経費だけがかさんで赤に転じてしまいます。これでジ・エンドです。

その点で考えると、オーダーをいただいてから作る受注生産は負けようがないです。作ったもの全て買い取ってもらえるわけですから、売値と製造原価と手配する人件費だけ読み間違えなければ必ず利益が残ります。

僕が新卒入社で入った会社(社長)はまさにこの受注生産を愚直にやっていました。創業時はスポーツ関連のメダルやノベルティの受注生産を行い、その後スイミングスクールの水着をオリジナルデザインで作成し納品するという新たな販路を開拓。さらにそのノウハウをアニメなどのエンタメ業界に派生させて、年商を一気に加速させました。

「ドラえもんのキーホルダーをこのデザインで1000個つくってください。」

このオーダーをいただいてから作って納品という仕事です。もちろん他の会社との競争になると価格勝負になり利益を削らなければなりません。そのため、ただ受注生産を請け負うだけでなく営業マン自らが顧客に商品をプレゼンして相見積もりにならないようにもっていくことが重要だったりします。

今でこそ年商100億円の一流企業であり、自社で生産工場を抱えていたりしますが、何もなかった創業当時は社長の営業力(外交力)だけで仕事をつくってきました。そして、同じことを繰り返し繰り返しして気づけば年商100億円をつくりあげていたのです。途中で色気を出して、在庫を抱えるような物販をやっていたら絶対にこけていたと思います。

ものづくりだけでなく、リスクのない商売のほとんどがこの受注生産に当てはまります。デザインやプログラミングなどもそうですね。オーダーいただいてから作業に取り掛かるので、売り逃がしがない受注生産と一緒です。

僕はものづくり会社で営業マンをしながらノウハウをしこたま吸収したので、独立した今でも自分の得意な分野で受注生産のものづくりをやっているだけです。また、僕には6歳のころにはじめたレスリングを24歳までつづけたという特殊なキャリアがあります。なのでレスリング界には知り合いが多く、他の人は持ち得ない人脈資産があります(本当にありがたいです)。そこで前職のオリジナル水着のノウハウを生かして、レスリングのオリジナルデザインユニフォームの仕事をつくりました。

今回のテーマが、負けようがない戦いを積み重ねるというものなのでわざと淡々と書きますが、この仕事めちゃくちゃ思いを持ってやってますんで悪しからずです。ここでは受注生産の概念を捉えていただけたらと思います。

負けようがない勝負 その2  リピート

受注生産だけでも確かにものづくりのリスクは減少しますが、もう一つ重要な概念がリピートを生む商品(もしくは顧客)であるということです。それは、受注生産の一番の難点がその都度作成する手間がかかるということだからです。

通常の物販であれば、一度に大量につくるので販売するときは販売することにだけ注力すればOK。しかし、受注生産の場合顧客の要望をヒアリングして指示書を作り合わせて入稿データをつくって工場に送るという手間が発生します。そもそもがそういう仕事なので初回はしょうがないとして、できれば2回転3回転する商品を扱いたいところです。2回目以降は顧客との打ち合わせも指示書の作成も不要。工場への連絡一本で売上をつくることができます。

僕の主力商品であるチームユニフォームはまさにその典型で、新入部員が入ってくるたびに同じ柄の商品をつくることになります。長いところだと10年以上柄を変えずに作り続けることが可能です。新規顧客を開拓しそれがやがてリピート顧客になる。そうやってどんどん資産を築いているイメージです。要するに受注生産だけでなく受注生産×リピートを意識して業界選びをすることがとても大事です。

受注生産×リピート

負けようがない勝負 その3  築古戸建の賃貸業

受注生産×リピートの組み合わせはその他のビジネスよりも格段にリスクが少なく、労力もかからない構造になっています。しなしながら万が一その業界に大きな変化があったり、委託している生産工場が稼働しなくなったりして明日ビジネスができなくなった場合、問答無用で詰んでしまいます。そこで、それを補填するために実行しているが築古戸建の賃貸業です。

皆さんは今持ち家に住んでますか?それとも貸家に住んでいますか?貸家に住んでいる方は家賃を毎月振り込んでますよね。賃貸業とは、家賃を振り込まれる側(大家さん)になるということです。

大家さんになるために必要な資格はありません。少しのタネ銭と客付のスキルさえあれば大家さんになることができます。人口1400人の村に移住して5年目になりますが、現在3つの戸建を所有しています。驚くかもしれませんが、3つの物件の購入総額は210万円です。

画像1

(写真:村に遊びに来たMMAファイターと築古戸建の残置物を撤去)

購入当時はこんな状況なので誰も見向きもしないのです。持ち主さんは早く処分したいと思っているくらいなので、タイミングがよければ安く取得することができます。逆に分が悪い勝負は絶対にしません。

そして、入居者さんに気持ちよく住んでいただくためのリフォーム費用等がかかってきますので実質は3件で350万円ほど出費しています。

僕が住んでいる人口1400人の村・西粟倉村は人口の2割が移住者と言われていて、毎年移住が殺到しているホットスポット。そのため他の田舎よりも格段に客付がやりやすいという利点があります。これがなかったら僕は絶対にやっていませんので、戸建賃貸をはじめようとしている方は需要があるかどうかをよく見極めてください。

ここから重要です。

僕が家を購入する前に必ず行うことが、先に客付をするということです。購入前に入居希望者さんに内覧してもらい、そこに付き添う形で入居希望者さんの要望を聞いてしまいます。「シンクは新しいものがいい」とか、「食器棚はいらないから処分しておいてほしい」とか。そういった要望をすべて叶えることを約束して、購入前に入居を仮確定してもらうのです。そう、これは受注生産と同じ発想です。戦い(購入)の前に外交で勝利を確定させておきます。善く戦う者は、勝ち易きに勝つ者なりを愚直に実行しているのです。

現在は4件目の話が色濃く出てきていて、それも先日購入前に客付を済ませました。あとは持ち主さんと売却交渉をするのみです。チャンスがあればこのような形で着実に買い進めていきます。

ちなみに、僕の場合は購入+リフォーム費用を3年で回収できるかを基準にしています。そして、物件購入のためのタネ銭=(受注生産×リピート)ー 生活費 になっているため全て現金購入。借り入れはございません。そうやって、物販よりも長期的に見てさらに安定するものに余剰資金を置き換えていっています。

当然ですが、築古戸建を所有することにはリスクが伴います。使っていなければどんどん駆逐していき、ただの使えない建物になってしまいます。解体費用も150~250万円ほどとバカにできません。その対策も当然事前に勉強していて十分に理解した上で事業を始めています。リスクゼロのものなど存在しませんので、何にせよ出口を準備しておくことは必須です。

闘う!空き家術。この本は築古戸建を扱うにあたってのデメリットが激しく書かれているので、絶対に読むべき1冊だと思います。他にもたくさん戸建賃貸業の本は出ていますが一冊でも多く読み込んで糧にすることをお勧めします。読むたびに自分の戦い方が確立されていきます。

1〜3を組み合わせて資産を拡大していく

これまで紹介してきた3つの負けない戦いを組み合わせて、僕は年々収入を上げていきました。ちなみに、これらは全て副業でスタートしていますのでかなり慎重タイプだと思っています。それでも周りからはチャレンジャーだねと言われることが多々あります。絶対に勝てると見込んだ勝負しかしていませんので、これをチャレンジと呼ぶかどうかは周りにお任せします。

改めて整理すると以下のようになります。

積み上げ

<①受注生産×②リピート>で顧客を積み上げ、その余剰資金で<②賃貸物件>を積み上げていきます。大きく2つの運動を毎年繰り返しながら不労に近い収入を拡大させていっているわけです。

なぜここまで地味なことをやり続けているかというと、僕の人生の目的が自由であることだからです。自由の定義は、好きな時に好きな人に会いに行ける状態。そして、やりたいことが見つかった時にすぐに動ける状態です。この自由への意欲は、大好きな坂本龍馬が残した「財政の独立なくして、思想の独立はなく、行動の自由はない」という言葉に背中を押されています。やりたいことを目指す前にまずは財政の独立が先決であると強く印象づけられました。

今はまだ力がなくても、負けようがない戦いを緻密にコツコツこなしていけば、3年後、5年後、10年後には多少なりとも世の中に貢献できる人間に育ってるのではないかと思います。その日が来るまで。そして明確にビジョンが描けるまでは、当たり前をコツコツ積み上げていく日々を過ごしていきます。まだまだ地に足つけた人生を送っていきます。

僕の場合は受注生産×リピート×賃貸業でしたが、これはかなりイレギュラーな攻め方でもっと効率の良い方法はあると思います。それぞれ皆さんの強みに即したことをやるべきです。その上で、今回のnoteの考え方が少しでも参考になったのであれば幸いです。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?