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仕事つくる#37 成長主義から片足抜いて「田舎で豊かに暮らすを実現する会社」づくりをガチる

ちょうど一年前に書いたnoteの「株式会社をつかって里山に小さな国をつくれるか」という妄想計画がなんと具体的になってきました。本文中に記載していますが、これを別の言い方でわかりやすくすると「成長を目指さず成熟に重きをおき、共産的に運営される会社」となります。「会社の成長を目指さない」とはつまり資本の増殖を目指さないということです。資本主義下ではほぼ全ての会社が利益を投資に回して資本の増殖を目的に経済活動を行なっています。仕事が仕事を生み、雇用を増やし、設備投資をして競争に勝っていく、そのゲームからは片足を抜いていきましょうというイメージ。しんどくないですか?

共産的とは、富を一箇所に集中させずに共同体で所有する概念を持つことです。これも以前記載していますが、その年に出た利益は会社の存続に必要な分だけを残して決算賞与で従業員に配り切るというルールを敷くことで、富の一箇所集中を避けることができます。ではなぜ、一応は資本家の立場にいる僕がわざわざそんなことをするのかというと、「会社運営が楽になり、幸せになれるから」です。

掘り下げていきます。

これを成立させるには、従業員に「当期の収穫を配り切ること」「明確な裁量権を持たせること」この二つを明確に共有しておくことが大事だと考えました。冒頭に"具体的になってきた"と書きましたが、具体化の要因は二つで、一つは主たるメンバー(部門長)に上記を共有した際に好感触を得られ計画をすすめてOKという指針を掴めたこと。もう一つは2年連続で安定した利益を確保でき、この先の見通しが立てやすくなったことです。借入残額を預貯金額が上回ったのも大きいです。みんなほんとに頑張ってくれました。

ここでの肝は明確な裁量権を部門長に持たせることです。ちなみに今回は「10万円以下の設備投資や修繕は部門長の裁量に委ねる」としました。その範疇であれば各部門長が自分の判断でクレジットカードをきれることになります。以前であればこの判断はすべて僕が担当していました。それはテキトウな判断をしてしまったら会社の利益を損ねるからに他なりませんが、従業員が収穫物を平等に共有する仲間内になったことで、僕と同じように損得の視点で判断ができるようになるからです。もともとその視点で仕事をしてもらってるとは思っていますがルール上もそうなっているかどうかには大きな違いがあると思います。細かい判断を高い視点で任せることができる人材が育つことは組織にとって大きな財産になると考えました。

同じように、組織や事業を充実させるための投資などについては、僕からメンバーに共有する義務が生じることになります。具体的には、来年度宿屋をもっと魅力的にするための設備投資だったり、はたまた能登半島沖地震への復興支援金への寄付だったり、直近だとそのあたりが共有事項になります。

自分ごとに考えてくれるメンバーが育つことは非常にありがたいことです。先に述べた「会社運営が楽になる」とはそういうこと。そして、メンバーの仕事と生活の充実は僕の幸福に直結するので、僕は幸せになれると思っています。

そのためにも「その年の収穫のすべてを分かち合う」「明確な裁量権を持たせる」この2つをセットにすることは非常に重要だと想定しました。

もう一つ、主たるメンバーにヒアリングして良かった点は、「事業を拡大して給料をどんどん増やしていくよりも週休3日を目指したい」と言ってくれたことです。まさに成長ではなく成熟を目指すにふさわしい指針だと思いました。今ある設備は大きく増大させずとも、中身を充実させて利益を安定させ、現状の給与水準を保ったまま働く時間を減らしていくことを目標に掲げます。

3年間なんとか事業を成立させるために走ってきて見えてきたのは以下の4行

その年の収穫はその年に分かち合い
成長を善しする資本主義からは片足を抜き
遊び心と知恵で資源を価値に変えて
田舎で豊かに暮らすを実現する

社会にインパクトを与えるような壮大なビジョンは掲げられませんが、自分たちが自分たちで決めたルールの中で共産し、楽しく豊かに暮らすを実現する会社をのんびり田舎でつくっていきます宣言でした。


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