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10年たった私たち

集団に入ることが苦手だった。
うまくやれないわけではない。
だけどなんとなく疲れてしまうことが多くて、わたしはいつも1対1の関係を好んでいる。

そんな私が、唯一安心して属することのできていた集団が、高校の部活であった。
13人という私の中では大所帯の一員であっても、自分が自分として受け入れられている実感がある、一人一人をその人として認め合えている、唯一のコミュニティ。

それは、卒業してから10年経った今でも変わらない。


昨日、1人の部員の結婚式があり、久しぶりに全員集結した。

結婚した部員の思い出話から始まり、高校時代の様々なエピソード。
「こんなことあったよね」と誰かというと、「そうそう」「いやあのときさ、」と13人で笑い転げる。

あー、楽しい。

旧姓で呼かけられ、「ぶっちゃけ今どういう状況?」と聞かれる。
へらへらと笑いながら、今の状況を簡単に話す。
みんな「重い重い!」と笑いながらも、最後には「でも、そこを出てこられたからえらいよな」と認めてくれる。

そういう、安心できるコミュニティって、私にとっては彼らだけなんだ。


10年前の夏、引退の挨拶で私が発した言葉。
「みんなのことが大好きです」
これは今でも変わらない。


さぁ、今日はみんなそれぞれの場所に帰った。
それぞれの生活、それぞれのコミュニティ、それぞれの今に。
だけどその場所は、あのグラウンドから陸続きだ。

また会える。
私はあのグラウンドから一番近い場所で、みんなの帰りを待っている。

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