【海外レース参戦記】 UTMG2019 #1
今年の台湾レースUTMG2019 G8 107kmのレースレポートをお届けします。
(2020年2月11日再掲)
結論から言うと60km地点のデポエイドで無念のリタイアとなりました。
準備不足が招いた結果
60km16時間の間にいろんなことが起きてのリタイアになり残念ですが、それにより頭では分かっていたけど改めてトレイルランナーにものすごく必要なことを勉強できました。
少しでも多くの人に読んで頂き、
本当に心(メンタル)も体(フィジカル)も装備(ギア)も準備が整っているか?
何かあった時に対応する力(山力)が備わっているか、本当にその為の準備ができているか?
日頃から再確認していただけたらこのブログを書いた意味があります。
レースは0時スタート。
スタートして早々に1400mの山を登るのですが最初からこれがきつい。
永遠と登り。そして足場の悪さ。
台湾の洗礼
1年ぶりの台湾で忘れていたけど…これが台湾。思い出した。
12km地点。
一つ目の山に到着。
ここでトップに次いで2位。
体の調子は良かった。33名の参加なのでこの時点でもう一人ぼっち。
でもペースは上げずにマイペースで進む。
はじめての下りが出てきたのでオーバーペースにならないようにコントロールしながら下る、下る、下る。
下る・・・
下る・・・・・
下る・・・・・・
あれ、こんな下るコースだったかな。
と思った時。
岩の崖に到着。
いきなりコースロスト。
目の前は崖。
多分この辺にいたと思います。
スマホに入れておいたマップで現在地を確認するもGPS拾わず…
来た道を戻ろうとするも真夜中の2時。どこから降りてきたかわからなくなる。
ここで一瞬GPSが現在地を拾ってくれたが、、、コースとは全く違うところに降りている。
だいぶ降りてきた。
でもどこを戻ったらいいかわからない。
パニックになりHey!!と叫んでも何も帰ってこない。
ホイッスル鳴らしても。手を叩いても。
もう終わりかも。
でも、冷静になって考えなければと5分くらい座り込んでまず落ち着く。
ずっと降りてきたからずっと上り続ければコース復帰できるかもと、気づいたら約1時間くらい道無き道を登ったかもしれない。
正直、余裕なんてなかったし早くコースに戻りたいその一心。
コースロストからの復帰劇
するとコースのようなシングルトラックにあたり無事にコース復帰。
約2時間位のロストだったと思う。
目標タイムを35時間に設定していたのでコース復帰できた安心よりも急がなくちゃと焦ってしまいオーバーペース。
いや、正直本当のことを言うとこの時怖くて足が震えてた。
もしかしたらここで止まったらやめることになっちゃうかも。と思って無理やり動かしてたのかもしれない。
朝方に山をくだってて足がついて行かずこの時からポールに頼る…
まだ20km地点。
これから先どうしようなんて不安抱えてるどころじゃない。
今年も絶対完走。自分の不注意から起きたコースロストもしっかりリカバリーして絶対完走する。
まだまだ長い旅。
そう思ってた。この時は。
準備。そして冷静な判断
今回の台湾でのレースに出るにあたりコースの下調べやコース確認などもしていた“つもり”だった。
でもいざ本番になると本来なら絶対に間違えないような場所でもロストしてしまう可能性がある。
今になって考えてみればぞっとする。
たまたまコースに戻れたけどこれを良しとしては絶対にいけない。
日本のレースでは運営面やサポート体制が整っているので大丈夫かもしれない。
けど、レース中も普段山に入る時も自分に最悪なことが起こったら?対処できる?正確な判断ができる?自分の体力はどれくらい持つ?
など、冷静でない状況で様々な重要な判断をしなければいけない。
今回の件もあげてみればいくつもリスクがある判断だったかもしれない。
準備が全て。
いろいろなところで聞く言葉ですが、山では準備したことをはるかに上回る事態も起こり得るし、時には生死を分ける重要な判断をしなければいけないこともある。
それには、常に最悪な状況が自分に起きた時にそれに対応できると言えるほどであるか。
コースロストごときで大げさに…
もしかしたらそう大げさに聞こえるかもしれませんが、フィールドにしているトレイルランナーであれば必ず準備しなければいけないこと、安全に楽しむ為にものすごく必要なことだと思うのです。
自分も常に山に入る時はしっかり準備して入りますが、今回のレースではリタイアとなりましたが、それ以上に大きなことを学べたレースとも思っています。
コースロストはランナー自身の責任です。
コース誘導が悪いとか、テープが少ないとか。そういうのは関係ない。
山に入る以上は全て自己責任。
だからこそ一人が自分に起こる最悪の状況を考え準備をしておくこと。
楽しんだ代償が遭難や救助じゃ絶対だめ。
”安全第一”でトレイルランニングを楽しめるように一人一人が最善の準備をすること。
そんなことは当たり前なのですがトレイルランニングに慣れてくると
これはいっか。と本当に重要なものを省いたりしてしまっているかも!?
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