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『隅』ー詩ー

汚れなき舟を漕いでいる
深い霧はどこまでも続く
黄金の千鳥が大正の器から飛び立ち
時を経て私の目に前に現れた
何を知っているというのか 
何を問えというのか
いっそのことこの心ごと
その時代へ連れて行っておくれ
音にまみれた世界で
耳を塞いでも静寂は訪れず
私は己の世界を築き上げるために
もがき、立ち止まり、を繰り返す
舌が受け止めたひと雫は
懐かしい母の味を思い出させ
膝に歯形がつくほどの苦しみが
胸の奥から流れ出る
夜の 世の 端っこで
隅っこのわたしは涙で育つ

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#詩 #poetry #lyric
#私の作品紹介

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