『読まれない小説』ー詩ー
去年の夏に買った小説は
一ページも読まれることなく
春を迎える
夏の間に海水浴をして来たのだろうか
少し背中が日焼けしている
季節は人生のように
少しづつ深まり変化してゆく
物語も紅葉のように
色づき始めてるに違いない
まるで雪はミルフィーユのように
重なり降り積もる
誰が何処に向かったのか
その足跡を消してゆく
白い吐息だけを残して
道に迷ってはいないですか
エピローグへの道は見えていますか
その先に光が見えますか
私は新しい旅の目的地に
辿り着けないでいます
何度も手に取っては
表紙を撫でた跡だけが
まるで模様のように広がっている
そして私は今日も
この小説を手にしている
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書くことはヨチヨチ歩きの🐣です。インプットの為に使わせていただきます❤️