君が忘れていったものは
部屋の真ん中に。
大きなバスケットに
詰めても詰めても
減らないんだ。
ハンドクリームの香りは
君を思い出させる。
買い置きするほど
好きだったよね。
シャンプーしたての髪も
風になびく髪も
涙で濡れた髪も
この指先は覚えている。
朝陽が差し込む窓辺で
つい願ってしまう。
ひとりを受け止められなくて
夜は星を見上げて
つい想ってしまう。
「先に寝るね」と言った後
君は寂しくなかったのかな
君はその後何をしていたのかな
夢の中で君とダンスをする僕と
僕の知らない時間を過ごす君と
ドア一枚が世界を二つにしていた。
君が忘れていったものは
大きすぎた
ね。
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