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ソルティ・ドッグ

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塩日記2020
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2020年6月の記事一覧

小説を書くのはだいたい狂うってこと

人が楽しそうに物語を書いているから、つい、私も楽しく書ける気がしたんだよね。笑ってしまうくらい楽しく書けないんだけど。 どうしたって、悲しみだけが募る。片方だけで産まれた、不完全な心臓を罅割る。あの日あなたがほほ笑んでくれた未来が潰えてゆく音がするだけ。泣くのを堪えて、不格好にわらって、言葉が縺れながら踊る、画面を睨めつける。なあ、こんな感情は、King Gnuの「The hole」なんか聴いているからじゃないの。僕が傷口になるよってなんだよ。愛を守らなくちゃ。やめてくれ。

不自由で、わかりにくい

私にはやはり、これまでの個人サイトやブログと同様に、noteをやめたいなと思う日がある。「削除」のボタン一つで、私という存在が世界から消えてしまえばいいのに。消えてしまえればきっといいのに。そう思いながら文字を打つ。縋るみたいに。叫ぶみたいに。言葉を刻んで、自分を切り刻んで、頼むよ、もっと心が痛いままでいさせてほしい。すり減って使い物にならなくなるまで私の感性に鑢を掛けて、真っ二つに容易く折れるまで私の悲鳴を鋭くして。そうしていつか辞めたいよ。世界から消えたい。 小説を書く

自分でうつわを直したら、心が整った。

朝のお風呂でひらめくことは、だいたい、好い。 6月頭、梅雨入り前。朝5時に、浴槽にもぐりながら、まっしろなまなうらの中で「そうだ、うつわを直そう」と思った。いつも風呂場にスマホを持ち込んでいる私は、その場で前から目をつけていた金継ぎセットを購入した。 金継ぎラウンジさんの「簡単金継ぎキット(スタンダード)」。 大事にしていたお気に入りのお皿を割ってから、どれくらい経っただろう。割ったのは、たぶん、数年前。もう思い出せない。 岡山市でシェアハウス生活をしていたときに(こ

「数字」ではなく、ひとりひとりとして出会えたらいいなあって思うんです。

オススメの少女漫画の話をして、オススメの少女漫画を教えていただきました。だいぶいまさら感がありますが読みました。 小ネタの知識量がすごくてそれを噛んでいるうちに時間が経っていた……。超お嬢様学校に通う、「お嬢様」とは見かけ倒しな3人の女の子が主人公のお話。ファンタジーとは元来突拍子もないものだけど、突拍子もない展開が連続していく学園ものファンタジー。史緒さんなど頭がいいのに、最終的にはわりと3人で力業になるの笑った。 セリフが多いので勢いのうねりの中でともすれば見逃しそう

だから私は「馬と鹿」を聴く

これが愛じゃなければなんと呼ぶのか 僕は知らなかった 米津玄師『馬と鹿』は、夢をあきらめられない人の歌だ。 成功していない、勝利していない、どこにも辿り着いていない、だけど夢を捨てられずに、夢のために生きている人の歌だ。 夢追う人の歩みはけっして明るくない。前途洋々なんかじゃない。努力がかならず報われるわけじゃない。夢は、だいたいいつも、痛いことばっかりだ。叶わないことのほうがきっと多い。花はひらくか。ひらかないかもしれない。それでも「僕」は、あきらめきれずに追いかけてい

眠れないので

眠れない。眠れない。眠れない。クッションを抱えながらぼんやりと夜の暗闇を見つめていたら、スリープにしたままだったパソコンがウィンと音を立て、急に画面があかるくなった。とくになんのアップデートをする様子もない。ただ電源がついた。こういうことは、たまにある。 ちょうど、しょうもないからと思って、公開しては非公開にする作業を3回繰り返した記事のことを考えていた。しょうもないという気持ちは変わらないけど、パソコンが促すように動き出したので、再公開することにした。また消すかもしれない

孤独の向こう側で、あなたに会えるなら

毎日50作品に目を通していたらしい岸田さんほどではないけど、私は、1日につき、キナリ杯の作品を10~15作品程度読んでいた。読みながら、そして自分のものも書いていた。毛色が違いすぎると思いながら書いていた。 もっとふわっとしていたほうがいろんな方に楽しんでもらえるのかなと自問自答したのだけど、今回読んでもらいたい相手は岸田奈美さんただ一人!と決めて、自分を貫きとおすことにした。 結果、キナリ杯はえげつない文章量になった。 図版を挟んで誤魔化すふうを装っているけど、920

私のカメラの選び方(リスボンのおっちゃんへ勝手にアンサー)

「なんでそのカメラなんだ!」と、リスボンで知らんおっちゃんにしつこく迫られる話がおもしろかった。おっちゃんがしつこかったのには理由があるので読んでほしい。筆者の村上さんが使っていたのはCanon EOS Kiss F。 私の愛機もCanonである。Canon EOS 8000D。その前はKiss……たぶんX3かな?そろそろエントリー機を卒業して、ミドル機がほしいと考えている。 なんで私はCanonなのか? おっちゃんにハッキリと答えられる理由はないかもしれない。 強い