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#アート

アートは踏んづけていいのか?

川崎市にある岡本太郎美術館に行ってきた。 訪れた時はちょうど企画展で「TARO賞」作品の展示もやっている。もちろん岡本太郎の絵を見に来たのだけれど、現代の最先端のアートにも触れられるのならば一石二鳥だ。 いろんな面白いアートがある中で、最も僕の心を惹きつけたのがこの作品。 西徐闇という仏師の方が作った作品。そう、これは仏像である。そして、周りを囲むのは少年ジャンプ。なぜジャンプに囲まれているのか。なんとこの仏像、木ではなく少年ジャンプを積み重ねて掘ったものなのだ。見方に

【体験レポ】水彩絵の具作ってみた

 天王洲アイル駅にあるPIGMENT TOKYOさんにて、定期開催されているワークショップ「水彩絵の具作り」を受講してみました。  店内に入ると、ずらりと顔料が並んでおり、これらは15g単位で量り売りされています。  講師の方から絵の具の歴史や作り方の説明を受け、好きな色の水干絵の具を使って実際に水彩絵の具を作っていきます。  水彩絵の具作りの工程としては、少量の水・顔料(水干絵の具)・アラビアゴム・蜂蜜を教えられた比率で大理石のプレート上に準備して、マーラー(練り棒)

ブルーピリオドを読んでアートに興味を持った私が海外美大院生になる話

私はこの9月からニューヨーク大学のデジタルアートを専攻する修士プログラム(通称ITP)に入学します。 実はアートを学ぶために、大学院受験をしようと決めたのは2021年の10月。その時に見た志望校の受験締め切りは12月4日、準備期間が2ヶ月しかありませんでした。 社会人として働いていながら、2ヶ月で受験準備は無理だろう、最初は私もそう思って諦めてました。 でもその中で覚悟を決めて受験し合格するまでを書いてみます。 私は現在住んでいるところがアメリカでラッキーなこともありま

ヤンコ・ドムシッチの伝えたかったアートの幾何学的な秘密(アウトサイダー・アート)

ヤンコ・ドムシッチ(Janko Domsic)の伝えたかったアートの秘密(アウトサイダー・アート/アール・ブリュット) ヤンコ・ドムシッチ(Janko Domsic,1915-1983/CROATIA) 1915年、クロアチア生まれ、そこで、初等教育は受けているだろう。その後、フランスに渡る(亡命)が、その状況は記録に残っていない。 残存する、わずかな記録からは、フランスに入国後、おそらく刑務所で過ごし、その後、トゥール(Tours)に住んでいた、そして、1935年にPont

消えていく親友の記憶 卒業制作「Phantom」

僕が制作した卒業制作について紹介します。 僕は卒業制作として、3年前に亡くなった親友の記憶をインスタレーションで表現しました。 まず、コンセプト文です。 3年前に親友を亡くした。私は卒業制作として消えていく親友の記憶をそのまま形にした。人間にとって記憶はとても脆く曖昧なもので、どんなに大切な記憶だとしてもいつかは触れられなくなってしまうのかもしれない。でも、それでいいと思った。私は消えていくこの記憶を愛そうと思う。 私は今から約3年前、大学1年生の冬に高校で出会っ

「若者ことば」は良いもの?悪もの?

「若者ことば」はオトナに良くないイメージを与えがちです。 しかし、若者にとって「若者ことば」はコミュニケーションを楽しむツールでもあります。 そして日本人は昔からことば遊びをすることで新たな文化を創ってきました。 江戸時代の人々が楽しんでいた、絵のなぞなぞ「判じ絵」で「若者ことば」を表すことで「若者ことば」の文化性と面白さを訴える作品を作りました。それが私の卒業制作 「令和問答八十八次」 この卒制をつくる上で、たくさんの方々に助けられました。 特に後輩たち、ありがとう

人のいない美術館を堪能する贅沢。 「 #emptymoriartmuseum 」

六本木森美術館で開催された「#empty(エンプティ)」というイベントに夫婦で参加してきました。 ここではその時に撮った写真33枚を併せて紹介します。 #emptyとは? 2013年にニューヨーク・メトロポリタン美術館で初めて公式に開催されたInstagramを使ったソーシャル・イベント 空っぽの美術館をフォトグラファーとモデルが撮り歩くとてもエキサイティングな内容。実際ものすごく楽しかったです。 こういった取組をしている美術館は、日本でもまだ森美術館だけとのこと。 詳

日本の美術館サイトはどうすればもっと良くなるか

美術手帖の橋爪さん(直接の面識はないと思う)が、こんな投稿をされていたので、少し筆を取ってみることにした。 今の美術館を取り巻く状況と、ウェブ業界を取り巻く状況を重ね合わせて考えるとスマートな解決策がすぐには見いだせないのだが、ウェブ制作者サイドの人間として簡単に思うことを取りまとめてみたい。 もはや、何ができていないかよりも、なぜできないのかを論じるべき時期にきているインターネットが一般化して20年以上が経ち、2000年代初頭のように、インターネットってなに?という人は