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5/16 『公共哲学』

『世論(public opinion)』

great society (大社会) へ向かい、世論の危険性
世論のイメージを変えた本

個人の情報処理能力の限界:単純化してしまう
メディアの役割:正確な情報を伝えられているのか?

『公共哲学』

*世論と民主主義の関係性について議論
public の危険性と、対処法になり得るpublic について書いた

財産と教養ある市民が選挙権を持っていたが、
選挙権の拡大→いろんな市民が投票するようになる→その場の雰囲気に流されてしまう市民も出てきた

プラトン的な思想(哲人王)に近づいていった

アメリカ社会(リップマンが念頭に置いていたこと)
民主党:民主主義に基づく党
共和党:エリートを中心とした党→民衆に開かれてきた

小林先生の解説


国際社会内秩序を回復する

p.22

秩序=安全を保障する ということ?
→国際社会秩序はもともと安全が保障されていたが、乱れてしまっていたので、それを元に戻すという意味合い
*国内の安全保障の文脈もある

いくら投票者が増えても、彼らの多数者が真に公共的利益を代表する蓋然性が増すわけではない。
情報が伝えられ議論が向けられるべき大衆が、一層大きく異質になればなるほど、世論はますます現実から遠のくのである。

p.37

大きく異質になる=great society のことを指す

🌟「いくら投票者が増えても、公共的利益を代表する確率が増すわけではない」のならば、何が公共的利益を代表するのか?
・熟考する市民を求めている
・プラトン、共和主義的思想、クリック(シティズンシップについて)

クリック:ポリティカル・リテラシーを高めることが必要
→学校教育で行う必要性を説くものが多い
だけど、あまりにも学校教育は失敗させてくれないため、ポリティカル・リテラシーを高める教育を行うことが難しい

🌟専門家(インサイダー)が決めていることと、民衆(アウトサイダー)の考えのバランスをどのように取るのか?
・一方が絶対的に正しいということはない
・それぞれの認識の歪みを直すためにもインサイダーとアウトサイダーをつなぐ経路をつくる制度が必要である=公共的利益?
・必ずしもインサイダーは専門家だけを指さない!

🌟誰が専門家なのか?
・権力に操られている専門家もいる
・理想的には、専門家とは、財産と教養ある理性的な市民

イギリス:支配階級への同化による参政権付与
・政府は存続するが一層責任(responsible)のあるものとなり、一層応答的(responsibility)なものになる

p.61

民主主義が発展していく2つのルートについての説明

イギリス
応答的 (responsibility) =市民に開かれていく 
・一歩一歩開かれていく
・穏やかな発展の道
責任 (responsible) =国家が自分(国家)に対して責任を負う

ちなみに、エツィオーニは応答的(responsible) という言葉を使っている

フランス
・貴族社会の中で議会に関わる
・いきなり民主主義になっていく

おまけ

デューイ
・リップマンと同時代に生きた
・リップマンと対立して語られることが多い
・リップマン(超越的方向)とデューイ(水平方向)は両立可能では? by小林先生
・「下からの民主主義」を提示
・great society から great community へ

へ〜集

戦闘の準備をするかしないか(衝突が起こったとき介入するか手を引くか)、戦争になった後は敵の無条件降伏のために戦うか、和平のために戦うかという問題であった。このような問題は極めて由々しきことであり、公衆の感情はすぐに白熱してしまう。しかも、大衆が大衆として発することのできる言葉、すなわちただイエスかノーかをもって答えざるを得ない。

p.19

世論というものには、私たち自身の希望や恐怖にかきたてられた流言を餌にするという傾向が内在しているのである。

p.25

人民とは、すなわち、個々の人間が入ったり去ったりしながらも、生き続けているところの一つの統合体(corporation)であり、一つの実在物なのである

p.33

功利主義批判で世代性を忘れがちだな自分…

厳しい方と楽な方との、どちらを選ぶかという問題に直面すると、投票者の最大多数を喜ばそうとするのが、民主的政府の普通の傾向である。有権者の圧力は、通常は等式の左右の中で楽な方へ向かう。

p.44

そうなの?

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