見出し画像

歌劇場の舞台は危険が一杯⚠️

オペラ公演、
華麗な舞台、お姫様のような衣装!!
なんとも夢のような場所!

と、想像されるでしょうか?
そうだったら公演は大成功!!

しかし、私達にとって舞台空間は危険な仕事場です

舞台上にはまず背景の大道具。
見上げるほど大きな木製や布地、プラスチック素材などで作られた素晴らしい美術背景などが、
幕間、上演中に関わらず動き回っています。
これを移動させるのは大変な力が必要だなあ?!
と、いつも考えさせられます。

舞台の床は中心に
2つの回転舞台やセリ(役者や道具などが登場したりする穴)も有ります。

回転舞台は演出効果は抜群ですが、
それぞれが同時に違う方向に動いている場合も有り
かなり注意が必要です!
さらに回転舞台に乗っている場合、体に軽く遠心力もついています。
その状態で歌い、演技しながら
さらに反対方向に動く回転舞台へ移動する!
こんなアクロバット的な難しい技が要求されます。
体がグラグラするのですが、
そこを根性でバランスを取り
華麗に飛び回るのです〜

そして舞台も傾斜がついていたり、至る所に段差があったり、階段や、エレベーターまである事も!!
滑りやすい布や捲れやすいカーペットなどが敷かれている事もあります。

ここを様々な衣装とヒールのある靴などで歩き回るのです!
ヒールも時には10センチ以上ある靴も!!

「ああ、僕は男だからそんな靴は履かなくていいや。」

とお考えの貴方、

甘いです!!!

ここは劇場です

もちろん、貴方だって履きますよ〜!!

ハイヒールになれない男性が履く時は
もちろん周りも多めに注意します⚠️⚠️


私の一番の個人的危険区域は階段です!
大きな衣装を着ている時は
長い衣装の裾で階段が隠れてしまうので
足を踏み出す先が見えません...

常に 足を滑らすのでは?
衣装を踏んでしまうのでは?
階段を踏み外すのでは?!?!
という恐怖と戦いながら笑顔で優雅な動きに
集中します

もちろん舞台練習が始まる際に
全員が
可能な限りの危険箇所を
厳重にチェックし、
安全確認もしっかりと行い、
移動の練習を何度も行います。

ちょっとしたミスが大怪我につながります!!
(私も公演中に躓いて靭帯損傷を負った事があります...)
歌いながら音楽を聴きながら
動きにも細心の注意を払います👀⚠️

舞台だけではありません。
舞台袖も暗く、大道具係、小道具係、演出助手、舞台監督、さらに歌手やダンサー、エキストラの人々などがそれぞれ待機しているので
それはもう狭くてキッチキチです!!
気をつけていないと台車などの車輪に足が轢かれたり
舞台装置にぶつかったりして
ひどい時には足の指を折ったりします。

日々舞台装置、背景などの
入れ替えも行われるので
ホコリなどもかなり舞っています。

ある時、目がゴロゴロするな、ゴミでも入ったかな?と思って目医者さんに行ったら

「鉄屑が瞳に刺さっていますが、
   工場でお仕事されていますか?」
と不思議そうに尋ねられました

「まあ似たような所です 劇場です。」

 工事現場か...

また、時にはとても重いコスチュームや被り物もあり、
そのせいで背中から肩にかけて強い凝りが発生する事態も!!
マッサージに行くと、
「炭鉱労働者のような肩こりになっていますが、何か身体を酷使するお仕事についておられますか?」
と、聞かれました...

「まあ似たような所です 劇場です。」
 
炭鉱労働者とは?!

こんな事を経験するとは想像していませんでしたが、
舞台に出演すると
このように色々な境遇に遭遇します

なかなか
デンジャラスなお仕事についていると感じています。

さてと、今日も気合いを入れて舞台です!



この記事が参加している募集

#仕事について話そう

110,303件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?