しらふに戻らず
むかしむかし。
大好きだったおじさまと素敵な夜を過ごしたあと、別れ際に
「帰ったらメールください。何か楽しいメールね」
と言われた時のことだ。
「はい。ちょっと考えてみます」
と私が答えると、おじさまは笑って、
「考えなくていいよ。恋愛のことなんて考え始めたら大抵のことがバカバカしくなるからね」
と言った。
同じおじさまが、また別の日にとても素敵なメールをくれたことがあった。
私は頭も胸も熱くなりすぎて、
【そんなことおっしゃられると私どうにかなっちゃいそうです】
と返信したら
【僕ももうどうにかなっちゃってますよ。どうにかなったまま一緒に夢を見ましょう。しらふに戻らず。】
と言われた。
◇
なぜこんなことを思い出したか。
私はnoteで恋愛周辺のことを書いているが、やけに飛ばし過ぎたり、いきなり暗くなったり、表立って言えないような過去の思い出を書いたりしているので、突然我に返ってしまうことがある。
書いているときは超・楽しいのだが、公開ボタンを押した次の瞬間、
「‥‥私、何やってるんだろ?」
「なんでこんなこと書いちゃったんだっけ」
「どう考えてもまともじゃないな」
と考えれば考えるほどどんどん暗くなっていく。
ただでさえ恥の多い人生だというのに更に恥の上塗りをしているな、と私自身の何もかもがバカバカしく思えてくる。
でも。
そんな真っ暗な気持ちでいる中、「スキのおしらせ」とか「コメントのおしらせ」が来た時の嬉しさといったら。
それだけで一気に元気が回復する。
ありがたすぎる。
幸せになる。
そして、そうだ私これでもいいんだと思い直せる。
もともと好きなことを書く場じゃないの。
本当はもっとましなことを書ければいいのだけど、人それぞれ向き不向きがあるからな。
私は私の中にあることを書けばいっか。
と。
たしかに恋愛のことなんて考え始めたら大抵のことはバカバカしくなるのだ。
だからこれからも書きたいことがあったら考えすぎずに書こうと思う。
しらふに戻らず。
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