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インターンを終えて(参加者による寄稿)


<インターンを希望した理由>

私は、将来観光業界に進みたいと考えており、中でも旅館やホテルなどの宿泊関係のお仕事に就きたいと思っています。

そのため、今回のインターンシップを通して、お客様の立場からでは見ることのできない、仕事内容やお客様への気遣い、仕事をする上での大変さ、接客する上で重要視していることなど体験を通して実際に知りたいと思ったからです。

特に、接客の部分をしっかりと勉強させていただきたいと思っており、接客のプロとしての接客対応を学び、多種多様なお客様にどのような対応をしているのか、常に気をつけるべきことはなにか、適切な言葉の選び方などを学びたいです。

また、日本文化にも興味があるため、その知識を少しでも身に付けたいと思いました。

<実習先での目標>

・笑顔でお客様を対応すること
・一度教えていただいたことは忘れず、次の日には実践できるようにする
・観察力の向上(目配り、気配り、心配りができるようよく観察し、些細なことにも気づける人になる。) 
・花紫の「おもてなし」を学ぶ
・日本文化、伝統工芸を学ぶ

<実習スケジュール>

実習期間:9月8日〜9月12日(5日間)
実習内容:朝食・夕食のセッティングやお給仕の見学
(料理の設置、お茶入れ、お水出し、お盆・箸の準備、片付け)
フロント・茶房見学、茶房での片付けやおしぼり準備
お部屋の最終チェック、アメニティの準備

<インターンを終えて学んだこと> 

◉目に見える「おもてなし」と見えない「おもてなし」

花紫さんでは、お客様の立場からは見ることのできない「おもてなし」をたくさん学ばさせていただきました。普段、旅館に訪れる際はお客様として「おもてなし」を受けているため、ウェルカムティーや送迎時間の変更、難しい要望に対する柔軟な対応など目に見える「おもてなし」しか知りませんでした。

しかし、今回の花紫さんのインターンシップを通して、「おもてなし」にはお客様の目から見えるおもてなしとお客様の目からは見えないおもてなしがあることを学びました。特に後者の「おもてなし」が非常に重要であり、このお客様の目に見えない従業員の方々の気配り・目配り・心配りが花紫さんの魅力であり、お客様に最高のサービスを提供でき、満足していただける最大の理由ではないかと思いました。

<目に見えない「おもてなし」> 

♢料理は温度を大切に
→料理はアツアツを、冷たいものは冷たく
→できたてを用意し、できた料理にはすぐ蓋を、そしてお客様にすぐに提供できるよう食事ペースを見ながら料理ができる時間も予測。調理場さんの思いをおいしさを、美しさをお客様に提供できるようにするのが接待の大事な役割。

♢美しさの徹底
→物は全て下揃えで一直線に
走らない
食器は模様を合わせ、おぼんは木目を意識して正しい向きで並べる。
お椀も年輪を意識したり、丸前角向こう基本に料理や食器を置く。

♢他部署、同部署同士の連携
→お客様に同じ人がずっと付くことはできないため、どんなお客様か、何を困っているのか、以前利用したことはあるのか、利き手はどちらかなどといったお客様の情報を共有し、会話の内容をお客様に合わせて変え、食事の提供を朝と昼で同じ人にしたり、食器や箸の位置を変えたりなどお客様が過ごしやすい環境づくりを全員で徹底する。

♢最後まで
→お食事の帰りや送迎の見送りの時、お客様が見えなくなったあとにもまた一礼をする、バスが見えなくなるまで手を振り続けるなどの最後までお客様に対して心のこもった行動をとっていることが印象的でした。

♢作法や伝統工芸、食器の知識
館内には山中漆器や越前和紙、水引きなど様々な伝統工芸が取り入れられており、料理の食器やドリンクの入れ物も九谷焼や山中漆器を使用しており、お客様が伝統工芸に気軽に触れられる環境が作り出されていました。そのため、工芸目当てでこられるお客様が多く見られるのだと思いました。私自身もインターンシップの中で皿や器の知識、また山田睦美さんや我戸幹男さん、黒木紗世さんといった作家さんの名前を学ぶことができもっと知りたいと食器への興味が大きくなりました。また、作法も大事にし、「丸前角
向こう」や箸の正しい置き方を意識したり、茶房では裏千家の作法を取り入れたりと花紫さんは日本らしさが強く感じられる旅館であると思いました。

♢働く環境の温かさ
インターンシップをさせていただいて初めに感じたことは、働いている従業員の方々の仲の良さです。立場に関係なく、誰とでも仲良くお話していたり、冗談を言い合ったりと休憩中だけでなく、仕事中でも常に笑顔が溢れていて素敵な会社だと感じました。

また、一人ひとりが温かく、いつも励ましの言葉や優しい言葉をかけれくれる方ばかりで、この人柄も花紫さんの魅力のひとつであると感じました。この仲の良さがお客様により良いおもてなしを提供できる理由の一つでもあるのではないかと思います。

<花紫さんへひとこと> 

5日間という短い間でしたが、温かいご指導本当にありがとうございました。このような貴重な機会をいただけたこと感謝しております。

このインターシップを通して、私には強く印象に残った言葉が2つあります。まずは、接客係のまおさんの「いいお客様になるか難しいお客様になるかは接客係の腕次第」という言葉です。接客業のアルバイトをしていますが、このような考えを持ったことがなかったため、新しい発見になり、アルバイトでの自分の接客を見直すきっかけになりました。

2つ目は接客係のまりさんの「仕事は覚えれば誰でもできる。そこにどう自分の色、個性を出していけるかが重要」という言葉です。確かに仕事の内容や作業は覚えれば誰でもできるため、他の人でもロボットでも全然できてしまいます。でも、個性を出していくことで、その仕事や作業の中で自分にしかできないおもてなしが生まれ、それがお客様が訪れる理由になることで価値も生まれるのではないかと思いました。

花紫さんでは、5日間という短い間でしたが様々なことを経験させていただきました。接客のプロである皆様の接客の様子やそれぞれがもつ仕事へのやりがいなどを知り、この業界に入りたいという気持ちがさらに強まりました。本当にこの度はありがとうございました。

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