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30代半ば~後半にかけてが「結婚適齢期」になる日も近いのかもしれない。


 2019年11月23日に、壇蜜さんとメイプル超合金の安藤なつさんが結婚をした。奇遇なことに、どちらも当時38歳だった。

 非常におめでたいニュースなのだが、とある芸人さんがそのことについてのコメントを求められた際に、「結婚適齢期を過ぎた二人の話をしても……」みたいなことを返していた。
 わたしはそれを聞いて、「考えの狭い、つまんねーこという男だな」と思った。
 

 いまや40歳ぐらいで結婚するひとはそう少なくない。
 わたしが今知っている限りでも、わたしの好きなコミックエッセイ家であるたかぎなおこさんは旦那さんとお互い40代で出会い、結婚してそして妊娠したことを漫画に描いているし、同じくコミックエッセイ家のフカザワナオコさんは43歳で結婚してる。
 あまり有名じゃないひっそりと追いかけていたとある女性歌手も、ついこのあいだ40歳で結婚を報告していたし、わたしの親戚の知り合いも、38歳で結婚式をあげたと聞いた。モデルのアンミカさんがイケメン社長と結婚したのも40歳のときだし、あの軽く騒動になった嵐の二宮和也さんの結婚相手も38歳ぐらいと聞いた(あれはまあ、特殊だけど)。
 もちろんまだまだ少数派とはいえ、もはや40歳で結婚するのもめずらしくなくなった。
 

 


 そもそも結婚適齢期、ってなんだろう、と思う。
 結婚に適した年齢、なんて人間が勝手に決めたものにすぎない。

 そんなものは時代とともに変わってきた、非常にあいまいなものだ。
 平安時代なんて、男性はだいたい18歳、女性は13歳までに結婚するのが常識だった。
 二十歳までに結婚していないと、「あのひとは何かあるんじゃないか」と白い目で見られていたぐらいだ。

 昭和時代は知ってのとおり、だいたい20~25歳ぐらいが結婚結婚適齢期とされていて、
 「30歳までには結婚する」というのが当然とされていた。
 
 しかし今の結婚平均年齢は、男性が30歳、女性が29歳となっている。
  これはあくまで平均なので、つまりはこれよりもかなり高い年齢で結婚しているひとが多いということになる。

 


 勿論、結婚の年齢の推移は、その時代の平均寿命がかかわっている。
  先程あげた平安時代も、平均寿命が「30歳前後」であったといわれている。30歳で死ぬとわかっていれば、10代前半で結婚してもなんらおかしくはない。

 しかしそう考えると、今の時代の平均寿命は男性が81歳、女性はなんと87歳である。
 『人生100年時代』といわれているのも考えれば、平安時代にくらべて大体2~3倍ぐらい寿命が延びていることになる。
 それにともない、結婚の年齢がもっとあがっていてもおかしくないと思う。

 なのにいまだに、30代後半~50代で結婚すると『晩婚』といわれる。
 なにをもって『晩婚』なのかがわからない。
 今の人間の平均寿命を考えれば、別に遅くもない、ふつうのことのように思う。



 だって、『人生100年時代』といわれているように、
 これからの人間はだいだい90~100歳まで生きるのがふつうになってくるのだ。
 いまだって、50~60歳で亡くなると「早すぎる」と言われる。だが平安時代に比べるとそれでも倍は生きているのだ。倍である。すさまじい話ではないか。

 それなのにどうして結婚の年齢はこうもあがっていかないのか。
 40~50歳で未婚だと、早々に『結婚できないやつ』とみなされてしまうのか。「自分は一生結婚できないんだ」と諦めてしまうのか。


 
 
 これほど寿命がのびても、いまだに社会の風潮として「20代に結婚するのが普通」となっているのもおかしいと思う。
 100年近く生きるのが当たり前になった今、たとえば20歳~25歳に結婚したとしたら、あと残りの80年近くはだいたい人生が決まったことになる。
 20代で結婚して「あ~よかった、もう人生安心だ」と思っても、あと80年人生は残っているのだ。80年だ。
 相手がいれば自分の人生はどうしても制御されるし、子供がいればなおさら、50歳で子育てがひと段落するまでは自分の時間が取れないというひとも多い。
 もちろん、それがいいのだ、というひとはそれでいいと思う。
 だがそうした人生が『社会の常識』とされ、そうしない人間を「普通じゃない」とみなし、「どうして結婚しないのか」というふうに詰めていくのはどう考えてもおかしい。


 今平均結婚年齢が男性は30歳、女性は29歳と書いたが
 昭和61年には26歳、平成初期では27歳……と、どんどんあがっている。
 タイトルにも書いたが、このままいくと30代半ば~後半にかけての結婚が普通になるというのも、あながち的外れじゃないように思う。




 わたしは結婚自体、すばらしいと思うし、できるのならば早めにしていいものだと思う。
 ただ、ありがたいことにいまの時代は死ぬまでこんなに人生の時間が残されているのだから、もっとゆっくりと考えて、自分の人生や相手を決めてもいいのではないかと思う。
 「もう〇〇歳だから早く結婚しなければ」と思わせる社会の常識が早く壊れることを願っている。

 




 

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