見出し画像

四人の心理カウンセラーに会った話 (1)

「風邪を引いたりして具合が悪くなったらお医者さんに行くでしょう。それと同じでメンタルも不調だったらカウセラーに行って頂戴ね。ちゃんと自分を大事にしてあげて。」学校をやめたいと打ち明けた長女に高校の進学アドバイザーが返した言葉のひとつだった。追い打ちをかけるように数日後、長女は「相手に心配かけさせてしまうので悩みを友達には相談できない*」と吐露した為、これは益々もって話を聞いてくれる相手=カウンセラーが早急に必要と気づきカウンセラー探しが始まった。

*長女はHSP(Highly Sensitive Person=繊細さん)なので他人の身動きから色々読み取ってしまい自分の本音を他人に話す事はヒマラヤほど高い。

年明け直ぐのカウンセリング予約に「これで満足かい?」と夫。私はカウンセラーというのは本人がカウンセラーに対してこの人いいな/いやだなといった感じ方があるから最低でも四、五人は会わないと本人が気を許す人は見つからないだろうと説明し結局のところ西へ東へ予約を入れ四人のカウンセラーに会う運びとなった。

まず一人目のカウンセラー。低年齢の小学生等の相手が得意らしくクライアントに対して子供扱いする口調が長女には合わなかった。それに連絡のやり取りが頼りない面がありパス。

二人目はきびきびとした口調で手持ちのノートのチェックリストを次々と質問し最後に『私の方針はこういう感じで…』と説明してくれた。グイグイ引っ張るやり方が親としては○だったが鬱々としている長女には逆に威圧的に映った。正直私と気の合うカウンセラーだったけれど長女に必要なのはもう一人の母親ではなく正反対の人物なため△。

三人目は「まずは親の話を聞かせてほしい」と言われ夫婦で赴いた。数日後に本人を交えて会いに行ったところ今回は経験豊富な年配の男性カウンセラーなのもあり、長女はやや○気味。夫は気に入ったようだが私は首を傾げた。カウンセリングを受けるのは長女だから私達親への細かい説明や配慮よりも本人重視にして欲しかった。たぶんカウンセリングの進み具合を詳細に知りたい親には満足なシステムに仕上がっているのだろう。

四人目は挨拶をしたすぐから「本日は初日ですがご両親はどうされますか?」 と言われカウンセラーとクライアントの関係性を非常に重要視している事が開口一番に窺えた。消極的な長女を配慮し「では最初の数分だけ同席しあとは失礼します」と言い入室したものの二、三受け応えをしカウンセラーの方針を聞き私達夫婦は早々に退席した。40分後にカウンセラーと共に部屋を出てきた長女はオフィスを後にした渡り廊下で「彼女が良い!! メモも取らず私の話をじっくり聞いてくれた…」と喜び勇んだので即決した。それでも繊細さんの長女は三人目のカウンセラーへの配慮も欠かさず「あの人も良かったから凄く悩む」と付け加えたのでこれから一対一でお話ししていくのはアナタだから決めるのは貴方よと決定権は長女にあると明確にしたところ「うん、彼女にする」と返事が返ってきた。

長女は自分の好き嫌い、特にキライが言えないので「良くぞ自分の思いを優先して決断したね」と褒めてあげたい。


(2)につづく




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?