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四人の心理カウンセラーに会った話 (2)

私達家族はメンタルヘルス業界がとても発達している国に住んでいるけど夫はカウンセラーという人にお世話になる事なくここまできた。そんなわけで夫婦間でカウンセラーに対する思いがまるで違い、今回のカウンセラー探しは実のところ茨の道だった。四人目に至るまでには一悶着どころか私はワンワン吠え、ほぼスピッツと化し「君もカウンセリング受けたら?」と夫に言われ間髪入れずに次女からも「ふたりでmarriage counseling、夫婦カウンセリングに行きなよ」と鉄のハンマーを落とされた。

たまたま私は27年前にカウンセリングを受けた事が今回役立った気がする。留学生で初めての寮生活。ルームメイトにはっきりNOと言えない事に悩んだ私は学習アドバイザーから「カウンセリグルームあるよ、行ってみたら?」と勧められ校内の大学生を対象とした20時間無料カウンセリングに通った。私のカウンセラーはトレーニング中(見習い)の大学院卒の人で年齢も私よりほんの少し年上の若い女性だった。最初に自身の説明をしてくれ①ライセンスを持つカウンセラーに監督されている身だということ②私の語った内容は監督官に開示するけれどもそれでも良いか③私に指導を行う際は監督も了承してのことと聞かされ初めてなぜ無料なのかも納得した。

私のカウンセラーは静かに話を聞き、ときどき質問をし決して前のめりにああしろこうしろと言わず私が問題解決に至るまで伴走してくれた。20時間をどの頻度でカウンセリングに通うかは私の希望が言えたので最初は週2回通い胸の内を聞いてもらった。そのうち週一通いでも大丈夫になり、ようやく自分の悩みが解決した頃には隔週になっていた。20時間目に「本日が無料の最終日となりますが自費で継続されますか?」と言われた時にはもうカウンセラーの手助けは必要なくなっていたので別れを惜しみながらも終了を選んだ。

そんなわけでカウンセラー探しの後半、夫にこう付け加えた。「長女のカウンセリングは三年、四年…というものではないかもしれない。私のように20時間とはいかないまでも、カウンセリングが必要なくなる日がいずれ来ると思うよ。それにまた長女の心理状態が変わってきたらバリバリのやり手っぽい二番目のようなカウンセラーを好む日が来るかもしれない。いずれにせよ、世の中にはたーくさんのカウンセラーがいるって長女もあなたも私もわかって良かったよね。」

長女がカウンセリングに通い出してもう5回程になる。喜んでカウンセラーに会いに行くし、送迎のため私も2度ほど待合室にいたがカウンセラーは私とは決して用のない会話をしようとしない。それで良い。カウンセラーと長女との信頼関係が一番大切に思う。ちなみに広大な駐車場には必ず警察や警備の車が何台も停まっている。おそらくカウンセリングに来ているんだと思う。メンタルヘルスは本当に大事なので警察官がカウンセリングに来ていると想像しただけでなんだか安堵した。

『心理カウンセラーを探そうと思ったら時間も労力もかかるけれども是非、自分に合うカウンセラーを探してほしい』これは当初、私の直感だったけれど、同じセリフを数週間前に心療内科医に言われた。心療内科医は『カウンセラーによって色々方針が違うし、カウンセラーと合う、合わないがあるからね』と補足した。

どうかカウンセラーの伴走で長女が一つでも殻を破り生きやすくなれますように。





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