竹森 正人

千葉県船橋市出身。東京学芸大学教育学部卒。科学技術振興機構、さわやかちば県民プラザ勤務…

竹森 正人

千葉県船橋市出身。東京学芸大学教育学部卒。科学技術振興機構、さわやかちば県民プラザ勤務。現在、公立小学校長。「さくらんぼ計算」考案。Film Education Lab アドバイザー。書籍「お父さんが教える算数(主婦の友社)」、日テレ「恋する地球ものがたり」「いのちのいろいろ」。

最近の記事

教員にとっての「社会関係資本」とは?

◾️私が校長1年目で重要視しているのが、「資本」という考え方です。特に教員の「社会関係資本」という内容で、校内だけでなく教員や地域の学びの場や、ネットインタビュー、企業とのマッチングイベントなのでも話す機会が多くなりました。一つ私の中で、大きな括りとしてまとめられてきたので、こちらにも発信しておきたいと思います。 ◾️人や組織には、色々な資本があります。お金も資本です。 ただ、私が教員として考えておきたい資本は3つあります。 ◾️3つの資本の一つ目は、「時間資本」。これは

    • 学校には「広報部」が必要

      ◼️先日、私は「reprise-news」さんからインタビュー取材を受けました。そこでは、自分の学校経営について話をさせていただきました。そのきっかけとなったのは、このnoteやFacebookを担当者がご覧になったということからです。 自分の実践や考えをSNS等で発信していなかったら、このような機会は得られなかったでしょう。 またこの数日、様々な方から新たに声をかけていただき、新たな人との繋がりや挑戦の機会が増え、とても楽しい毎日を過ごすことができ、ありがたい限りです。こ

      • キャンプファイヤー 星と炎を見つめて

        ◼️1泊2日の校外学習で一宮に行きました。 天気も良く、ネイチャーゲームにキャンプファイヤーも無事終えることができました。 ◼️キャンプファイヤーでは、私は初の「火の神役」を演じました。 火の神の役を終え、校長の姿に戻った私は、次のような話をしました。 「空を見上げてください。街の明かりがないのでとてもたくさんの星が見えます。(間) でも、みんなが今見ている星は、今の星の光を見ているわけではないんです。例えば、七夕のベガという星の光がみんなの目に届くまで25年かかります

        • 寿司屋の価値観から学ぶ

          ◾️昨日、金沢家族旅行を終えました。教員の持つ習性か、旅のしおりを作っていきました。その甲斐もあり、食事ものどぐろの寿司や、金沢おでんなど色々満喫できました。 ◾️しかし、店に行ったのに唯一入れなかったのが、「COIL」という手巻き寿司屋です。 昼前に店に着いたのですが、すでに満席。 予約も埋まっていて、夜の回一組だけ空いていると言うことでしたが、帰りの新幹線と時間が重なり、残念ながら断念しました。 ◾️店は、とてもおしゃれでした。表参道のApp Storeのようで、知

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          遂げずばやまじ

           致知1月号 関東致知教師木鶏会感想文■遂げずばやまじ ー 目標を持ったら成功するまでは絶対にあきらめない,という固い決意の言葉である。 「致知」総リード文の初めにこう書いている。成功するまであきらめない美しい言葉である。しかし,前号の感想文でも取り上げたが,「アフリカの雨乞いは100%当たる」という言葉もあるように,成功するまでやるから実現するという笑い話もある。「遂げずばやまじ」という言葉には,ただ闇雲に努力することを美談にするのではない。その前後にある目標設定,取り組

          遂げずばやまじ

          運鈍根

          致知11月号 関東致知教師木鶏会■幸運はただ外からやって来るのではありません。愚直に根気強く善を積み重ねていくしかないのです。 致知11月号の思想研究家 田口佳史氏の言葉。ここでいう運はラッキーという偶然的に得られるものではない。また運は独立したものでもなく、鈍と根と3セットなのである。田口氏の言葉に置き換えれば、根はもちろん「根気強さ」、鈍が「愚直に」を指すものと私は解釈する。 運を掴むためには、この「鈍」と「根」をどれだけ自分ごととして実践できるかが重要だと考える。山

          生き方の法則

          致知10月号 関東致知教師木鶏会■「自律」と「対話」の力を身につけることが、子どもたち、大人が主体的に生き、学校を変えていく大原則です。 横浜創英中学・高等学校校長、工藤勇一氏の言葉。この「自立」という言葉は最近、本市小中学校の教育目標にも多く取り入られている傾向にある。その理由として、昨年度、本市の校長・教頭合同オンライン研修の講師として、工藤氏がこの自律についてお話をされ、その考え方に多くの管理職が共感を得たからだと考える。「自立」「対話」は、工藤氏が言うように教育だけ

          生き方の法則

          実行するは我にあり

          致知9月号 関東致知教師木鶏会感想文■「賢いことを言うだけではだめである。実行できなければ何にもならぬ。結局,実行により成就する」 致知9月号総リード文。リーダーシップにも実行力が求められる。 米国の人材開発研究機関であるロミンガー社の研究から発見された法則に「70:20:10の法則」でも示される。これは,「リーダーシップ開発において役立つのは,経験が70%,薫陶が20%,研修が10%」ということである。私も時間があればできるだけ本を読んだり,セミナーに参加して知識やスキ

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          覚悟を決める

          覚悟を決める 致知8月号 関東致知教師木鶏会■覚悟を決めるということは迷いを断ち切ることですよね。 フォーバル会長,大久保秀夫氏の言葉。氏は,「よし,決めた!」と迷いを断ち切ることが覚悟であり,そのまま人の強さになっていくと述べている。つまり,強い人が覚悟を決めるのではない。人は覚悟を決めることによって強くなっていくということなのである。 「覚悟を決める=迷いを断ち切る」 では,学校現場において断ち切るべき「迷い」は何か? 結論から言うと,「揃えること」をよしとする考

          覚悟を決める

          これでいいのか

          致知 7 月号 関東致知教師木鶏会 感想文 ■「これでいいのか」漠然とした批判的なタイトルであるため,それぞれの記事は捉え方も落とし所も異なる。予測不可能な時代,多様な考え方が存在するのは当然である。だからこそそれぞれを読み比べ,自分の立場で共感できる記事を抽出する作業は大切である。まず,私が共感できたのは思風庵哲学研究所所長 芳村思風氏の次の言葉。 いま人類に求められているのは,戦って勝つことに最大の価値を置いた文明を乗り越えること。 さらに氏は,勝つことより素晴らし

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          伝承する

          致知6月号 関東致知教師木鶏会 感想文 ■「伝承」は,伝統や文化を伝える側の「伝」と,それを受け取る側の「承」の両者があってこそ成り立つ。今月号の致知の記事もまさにどちらかの立場に立って述べられている。  私が関心を持ったのは,薩摩焼宗家の沈壽官とたねやグループCEOの山本昌仁氏の以下の言葉。 伝統とは革新の堆積であり,その革新を生み出す土壌が日々の鍛錬に他なりません。(沈壽官) 先代たちがつくったお菓子をいかに時代に合わせて変えていくか,それが菓子屋の主人の仕事であり,本

          挑戦と創造

          致知5月号 関東致知教師木鶏会 ■「アブダクション(仮説的推論)」というものがあって,これは全く違うところ,誰もやったことがないところに点を置くんです」 HAJIMEオーナーシェフ,米田肇氏の言葉。致知今月号のテーマは「挑戦と創造」。諦めずに「挑戦」することについての記事に比重が大きい中,「創造」の点に触れている貴重な話である。まずこうありたいというビジョンを生み出し共有し,ありたいという姿と現実のギャップを分析・評価し,その解決策を考えビジョンを実行するから人は創造し,挑

          挑戦と創造

          山上 山また山

          致知4月号 関東致知教師木鶏会 感想文 ■「山上 山また山」  私はこの言葉に2通りの解釈ができる。 一つは,「山上についたと思っても,まだまだ途上。上には上があり,努力し続けることは重要であり,それによって人は成長し続ける。」という解釈。 もう一つは,「山の高みに着いたところで見渡し,別の高み,つまり別の価値観を見つけそれらも得ていき,成長し続ける。」という解釈。 ■今月号の「致知」の記事にもこの2つの解釈が混在する。 「遮断されてはこっちに曲がり,遮断されてはあっちに

          山上 山また山

          渋沢栄一に学ぶ人間学

          致知3月号 関東致知教師木鶏会 ■「古典は読んだ方がいい。ただし,鵜呑みにしない知性があればね。」 渋沢栄一氏の言葉。氏は「論語」で一生を貫いてみせると宣言しながらも,「論語」の中で時代に合わない部分はバッサリ切り捨て,解釈を変えている。中国古典研究家の守屋淳氏は,それが渋沢氏のすごいところだと述べている。渋沢氏は幼い頃から四書五経や日本の国史を学んでいる。それがなぜ,それらを時代に合うようにバッサリ切り捨て変えることが出来るのだろうか。私は,その戦略,選択,決断の裏側には

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          百万の典経 日下の燈

          百万の典経 日下の燈  致知2月号 関東致知教師木鶏会 ■「大汗を掻きながら舟を漕いでご苦労様。でも,この舟はどこに行くの?」 野口芳宏氏の言葉。これは,今の学校現場に大きく当てはまる言葉である。 かつては教員は教育書やセミナーに足を運んで人に直接会い,欲しい情報を身銭を切り,自ら苦労して手に入れに行った。情報を得る前に試行錯誤し取捨選択する必要があるので,限られた機会を得るために自分なりのビジョンを絞っていく必要があった。しかし,今はインターネットの時代。無償のオンライン講

          百万の典経 日下の燈

          人生,一誠に帰す

          (第39回関東致知木鶏会の感想文) 参議院議員山谷えり子氏の言葉, 『聖書』にあるアダムとイブの物語をはじめ,西洋の神話では労働は苦役として描かれていますが,日本の神話に登場する神様は働き者なんですよね。誠実に働くのは尊いことだという価値観がそこにはあるのです。 日本の建国ビジョンは,神武天皇の「橿原奠都の詔」に記される。それは,一人一人が大事にされている国,徳を持つ道義国家,一つ屋根の下で皆が仲良く暮らす家族のような国づくりである。その上で,日本人の「誠実でなければ,

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