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#ショートショート
【とある深夜のシンヤたち】-とある深夜の榛原信哉(ハイバラシンヤ)-
傘の下、
昔読んだ国語の読解テストの文章を
ぼんやりと思い出す榛原信哉である。
小さな女の子が森に迷い込んでしまって、
その森の奥には三人のおばあさんの魔女がいて、
透明なビニール袋にいっぱいの、薄いピンクの桜貝を詰めて売っていて、
そのサクサクなる音や色や見た目があまりに愛らしいので、
女の子が手元に持っているお小遣をはたいてそれを買って、
その後すぐにうちに帰る道を見つけて、
【とある深夜のシンヤたち】-とある深夜の向坂晋也(サキサカシンヤ)-
地下鉄の終電の車内で、
マスクをしているオッサンの数を
心中にてカウントするは、
向坂晋也(サキサカシンヤ)、25歳である。
ヴィレッジヴァンガードで手に入れた
黒く大きなヘッドフォンには、
両方の耳あてのど真ん中に白い星があり、
買った頃には「割とかっこよくね?」と思っていたものだが、
今となっては年の割にバカっぽく見える感じだ。
5年ものである。
しかも、い