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南部玉味噌

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東北の北上高地に伝わる南部玉味噌の造りを探求してまとめています。
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玉味噌から”すまし”を作って見えたこと

玉味噌から”すまし”を作って見えたこと

南部地方の味噌作りは春先に味噌玉を吊るし天然のカビを麹として作っていました。玉を作ってから仕込むので玉味噌。              米麹を使わない先人達が命を繋いできた味噌の味を知りたくて冒険の旅へ。
そして玉味噌から生まれた調味料の“すまし”とはどんなものなのか。
3度の夏を経てようやく完成した自家製玉味噌を使って“すまし”を作ってみました。

玉味噌の口開け初めて作ろうとした時には味噌玉を

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南部玉味噌を知っていますか?

南部玉味噌を知っていますか?

 南部玉味噌は、お米の栽培が難しかった東北北上高地に伝わる蒸煮した大豆を潰して玉にして吊るし、天然の麹を生やして作る南部地域の豆味噌です。

 横浜でも市民の森の調整区域という割と自然の残る地域に生まれ育った私は、仕事きっかけで岩手県中央部の小さな町に移住することにさしたる不便を感じることはありませんでした。

「なすてこんたなとこさ来た?」

移住当初、よく言われた台詞です。

こんなに豊かな所

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「タイマグラばあちゃん」澄川監督との出会いと25年味噌

「タイマグラばあちゃん」澄川監督との出会いと25年味噌

 南部玉味噌を追いかけていたら「タイマグラばあちゃん」やってきた。
探し求めていると向こうから歩み寄って来てくれることがあるもので、思い掛けぬ出会いとマサヨばあちゃんの味噌のお話し。

なぜ今の時代にあって南部玉味噌を追求するのか庶民の私でも画面をタップすれば遠くの物が届く。お金さえ出せば大抵の物は手に入る時代になぜ自然界から野生の麹カビを捕まえようとしたり野草やどんぐりを食べてみたいと思うのか。

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岩手県野田村・白礼干さんの南部玉味噌 

岩手県野田村・白礼干さんの南部玉味噌 

今もなお南部玉味噌を作るおばあちゃんを訪ねた時の記録です。
思えば沿岸の白礼干さんに出会ってから3月11日に味噌玉を吊るすようになりました。

南部玉味噌作りのおばあちゃんを知る野田塩で有名な野田村は岩手県北部の沿岸地域。NHKの朝の連続ドラマ「あまちゃん」の舞台となった久慈市の近くに位置します。
岩手日報の一面に季節の風物詩的として吊るされた味噌玉と共に映るおばあちゃん。北田白礼干(ハレニ)さん

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フィールドノートでの味噌玉作り

フィールドノートでの味噌玉作り

 映画「タイマグラばあちゃん」でその名を知った戦後の開拓地岩手県川井村にタイマグラ。
昭和の終わり頃、最後に電気が通じた集落だと聞いています。
 開拓民の皆が山から降りて行った中、向田久米蔵さんとマサヨばあちゃんだけが残り暮らしていました。

 そこへ山小屋を開くことを夢見て、大阪から1人の青年が移り住んできたのでした。それが山小屋「フィールドノート」の奥畑充幸さんです。

山小屋の常連客だった陽

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