見出し画像

第48話 看護学生さん

前の記事です▼

思い出したので書いておきます。

国立療養所中部病院の小児科に入院していた頃の話に戻ります。
養護学校高等部3年の頃だと思います。
私の体には管が3本、腎臓と膀胱にありました。
看護学生さんには良い勉強になるのです。

看護学生さんが看護師の指導を受けつつ、お風呂に入った後の管周りの消毒と、ガーゼ交換です。ですが、モタモタと手際が悪く自分でした方がずっと早いし、何よりプロじゃない人に体を見られ、処置されるのが嫌でした。

元々、管がある事が本当に辛くコンプレックスなのに、処置なんて自分でやるかプロの看護師さんがしてくれれば、1~2分で終わる事です。

イソジンに浸っている綿球の絞り方から、テープの長さにいたるまで、全部が初めてらしく遅くてイライラします。
我慢、我慢!勉強なんだから。

全っ部が初めてで、医療に興味を持ってくれた大切な人。優しく接しなくてはいけません。

赤ちゃんアジサイ
こんなに可愛い姿ですよー♡

他の子に付いてる看護学生さんが、私が処置を受けてるのを通りすがりに興味深くチラ見して行きます。見られたくなくてイラッとします。

オマケに家族関係まで詳しく聞こうとしてきます。それも勉強の内のようです。私の両親は離婚問題の最中です。言いたくありませんし、私は愚痴をこぼすのも、自分の心が汚れるようで嫌なんです。

院内の1階へジュースを買いに行くのも付いてきて、病室へ帰ればベッドに座り根掘り葉掘りと聞き取りです。せっかくの自由時間を真っ黒に塗り潰される様でした。

ですが、それが2週間毎に看護学生さんが替わり、同じ事の繰り返しなんです。

地獄。。


2週間終わる頃には、学校から病室に帰ってくると置き手紙です。お礼と分かりきってる基本的な事であるシャント管理の方法など、長々と書いてあります。申し訳ないけど、速攻ゴミ箱行きです。


学校が息抜き時間でした。

何人目でしょうか?そんな事が長々と続いたある日、私はブチ切れます。
処置は、イライラ爆発し
「ハヤクシテ!!!」
部屋に聞き取りに来たら
「カルテ見て勉強して!!!部屋に来ないで!」

そんな事をして、自分も気持ちいい訳ありません。イライライライラと極限状態です。
(こんな!こんな体でさえなければ!。。)と泣きそうです。

そうだ、もう看護学生を私に付けないで!と師長さんに言えばいい!
スタスタとナースステーションへ行き、師長さんを呼びつけ告げました。
「もう私に看護学生付けないで下さい。」
「わかりました。」

スッキリ!!
罪悪感はあれど、清々しました。
もう我慢しなくていい!
十分頑張った!
本当に無理!!他の人で勉強して下さい!

こうして、自分を地獄から救出。
あぁ、仏の顔も三度までって言葉ありましたね。
私、何度したかな?


無理しなくていいんだよ。
あーーー楽になったね。
本当によく頑張った!
お疲れ様でした。

次の記事です▼



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?