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第34話 謎多き転校生

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転校生が来ました。
名前はミッちゃんです。背が高く髪が天然パーマの綺麗な女の子です。びっくりするほど有名な高校からの転校生でした。

ミッちゃんはとても優秀な人でした。
でも、病気が何なのかわかりません。病室のベッドには上質なクッションが何個もあります。病院のベッドと全く釣り合いません。
夜になるとラジオで英語の勉強をしていました。
何もかも別世界に見えました。

優秀なミッちゃんは友達を作ろうと頑張ります。
ですが、皆から敬遠されてしまいます。
そんなある日、ミッちゃんが学校で倒れました。
養護学校では、誰かが倒れると生徒が担架を直ぐに用意し、保健室に運ぶのが通例です。皆、慣れています。

シロツメクサ
これ大きかったんです。4センチくらい(笑)

ただ、ミッちゃんの倒れ方が普通と違います。泣きながら体を包む様に倒れるのです。
スタイル抜群なミッちゃんがそんな倒れ方を見て、余計な妄想をしてしまいます。良からぬ事があって転校してきたのでは?と。

そんなミッちゃんが1人でポツンと寂しそうに学校から帰る時です。
「一緒に帰ろうか。」
と私は声をかけます。同じ病棟ですし、周りの病気の子達の説明が、ミッちゃんには必要な気がしました。

帰る道すがら話しました。
「喘息の子達は、今の思春期に治らなければずっと治らないって言われてるよ。私の病気も一生治らないし。」
「えっ?!そうなの?・・・」

少しはミッちゃんが異世界にいることを理解してくれたかも知れません。そんな帰り道が続いた後でした。
そのような話をしたからか、ミッちゃんはある決断をします。皆に手紙だけを残して、元の学校へ夢を持って戻る決意をしたんです。

ミッちゃんの夢とは、もっと勉強して養護学校の教員になること。私達のような子供を支える側になる事だったのです。
ミッちゃんならなれる、きっと。

養護学校がどんな場所なのか、少ない期間に感じ取ってくれた事が、とても嬉しかったです。
きっと、今はもう頼りにされる養護学校の教員になれていることでしょう。

ミッちゃん理解してくれて、ありがとうございます。
強くなって、倒れることも無くなっててね!


素敵な女性になっていますように。
同窓会、行ったら会えるといいなー。
ミッちゃんが幸せでありますように。

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