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第33話 初めての人工血管

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高等部2年生の頃、またシャントが閉塞してしまいました。
私の血管は細いらしく、成長もしてませんでした。(自己血管のシャントは、ゴーゴー血液が流れていると太く成長していくのが普通です)

また、あの医師が手術をするのか?と思えば違うらしく、救急車で他の病院へ行くことになりました。

私は慌ただしく手荷物を整え、救急車に乗るべく病院の正面玄関へ。看護師も居たように思いますが、あまり覚えがないです。
救急車が到着し、救急隊員がストレッチャーを動かしなが、正面玄関から入ってきて私を探します。

ですが、私はストレッチャーを必要とする状態ではありません。両手に荷物を持ち、スタスタと近ずきペコリ。
救急隊員は呆然です。え?歩けるの?ですよね(笑)

ゴデチア
華やかに可愛く美しく。

ですが、早くシャントを作らねばなりません。
救急車に乗り込み、車は走り出しました。サイレンを鳴らして。

着いたのは愛知県名古屋市南区の中京病院でした。

そこで入院し、手術を受けたのです。
しかも初めての人工血管を左腕に埋め込みました。もちろん局所麻酔です。全身麻酔ではありません。手術中の耳も聞こえますし、声も出せます。
ただ、滅菌シーツで覆われ手術部位は全く見えません。

局所麻酔を打つ痛みや、自己血管と人工血管を繋ぐ為の血管を引っ張られる痛みや、埋め込まれていく感覚などは、全て自分に感じています。
時折、血圧を計られたり声をかけられたりしつつ、手術は無事に終わりました。

ただ困ったことに、直ぐにその人工血管が透析に使えないのです。自分の腕に馴染むまで。(今の人工血管は進化していて、直ぐに刺せれます)それまでは、足の付け根の太い静脈から局所麻酔で管を入れて、直接足に糸で固定。2週間そこから透析です。

人工血管が私に馴染んで、刺せるようになるまで車椅子生活を余儀無くされました。

びっくりしたのは手術した腕です。パンパンどころか、手の甲までバッチバチに腫れ上がり、肘もどこだか分からないんです。
左腕が重い!!
収穫の遅れた大根か?!
この腕に縫い針を刺したら、ピューッと液体が出そうです。

その腫れてる腕をベッドの机にドンと置いて、小川タカ子先生が持ってきて下さったプリントを、右手で書いていきます。ちゃんと卒業できるように単位をとらないといけません。
左腕はすごく重いは肩は痛い。
悪態つきたいのをこらえて、プリントを頑張りました。

ただでさえ、透析で早退するし管の交換で2週間に1度は休むし。養護学校にいても、ついて行くのは抜けてる所もあって、頭に?が付く時いっぱいです。


大変なこと起こってても、暇で考え込むよりプリントあって良かったよね!
また乗り越えた。
頑張れた、偉かった!

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