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男性30歳から、女性更年期から、内臓脂肪に注意しよう

◆健康で長生きを決める5つの要因

「人は血管から老いる」
と言われますが、老いるとは、突き詰めると血管の老化です。

内臓(脳、心臓、肝臓、腎臓、胃、腸)、五感(目、耳、鼻、舌、皮膚)、骨格(骨、筋肉)のすべてに血管は行きわたっています。
人体の血管をすべてつなぎ合わせると、10万㎞、実に地球2周半の長さがあります。(諸説あり)
血管こそが生命の要(かなめ)と言えるでしょう。

その血管を脅かすものが5つあります。
高血圧、糖尿病、高コレステロール、内臓肥満、タバコの5つです。
今回は「内臓肥満」にスポットを当ててみましょう。

◆皮下脂肪は怖くない 内臓脂肪が怖い

「皮下脂肪」と聞いて、どんなイメージを抱きますか?
「健康に悪い」「カッコ悪い」「セルライト」などでしょう。
「カッコ悪い」はごもっともですが、「健康に悪い」は医学的に間違っています。

皮下脂肪はアディポカインという有益なホルモンを分泌しています。
皮下脂肪が極端に減る「脂肪萎縮症」という病気の人は、
糖尿病や高コレステロール、脂肪肝になりやすいことが知られています。

一方、内臓脂肪は糖尿病、高血圧、高コレステロールを起こしやすいですが、それは次のメカニズムによります。

内臓脂肪に蓄積されたアブラが直接肝臓に流れ込みます。
肝臓に過剰なアブラが流入すると、肝臓で糖と脂肪が過剰に作られます。
その結果、糖尿病、高コレステロールになりやすくなるのです。

◆内臓脂肪はウエストで分かる

皮下脂肪はお腹をつまむと分かりますが、
内臓脂肪はどうすれば分かるのでしょうか。
お腹のCTを撮れば分かります。

お腹のCTで、内臓脂肪の面積が100cm²以上になると生活習慣病が増加するため、この値以上を「内臓脂肪型肥満」といいます。
CT検査以外に分かる方法があります。

それがウエスト(腹囲)です。
ウエストと内臓脂肪は密接に比例しており、
ウエストが、男性85cm以上、女性90cm以上が、
CTでの内臓脂肪面積100cm²以上に相当します

◆内臓脂肪は、男性30歳から、女性更年期から

内臓脂肪はいつごろから増えるのでしょうか。
厚生労働省の平成29年国民健康・栄養調査によると、
男性は30歳から、女性は更年期から、内臓脂肪型肥満が増えています

参考文献より引用(一部改変)

男性は30歳を過ぎると運動不足や基礎代謝の低下により、
内臓脂肪が増えると思われます。
女性は、更年期になると内臓脂肪が増えますが、
エストロゲン分泌が極端に減るからです。

この年齢に該当する方は、食事と運動に留意しましょう。

参考文献
根本雄飛, 島袋充生:「体脂肪分布と生活習慣病」,HORMONE FRONTIER IN GYNECOLOGY 28(1): 25-32, 2021

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