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【Netflix】『Found』

海外特別養子縁組や養子のルーツ探しについて色々ヒントがあるなと思うのが、2021年公開のNetflixオリジナルドキュメンタリーの『Found』。邦題は『ワタシが私を見つけるまで』というようです。

アマンダ・リピッツ監督のドキュメンタリー映画「ワタシが"私"を見つけるまで」では、アメリカの家庭でそれぞれ養子として育った3人のティーンの少女が、血のつながった従姉妹であることを発見します。オンラインで対面した彼女たちは、複雑で情緒的な疑問に直面。答えやつながり、失われた過去を探して、またとない経験が待ち受ける中国への旅路にともに乗り出します。

https://filmarks.com/movies/99715

セイディ、リリー、クロエという、いずれも小さい時に中国の孤児院からアメリカに養子にきた大学生くらいの女の子を追っています。私たちは海外から養子を迎えることも念頭に置いているので、自分達がこどもを迎えたら、彼らがどういう葛藤を抱えて、それをどうサポートできるのかな、と言う目線で見ていました。

自分の備忘録的な感じの雑感なので、まとまりはありませんが、一人っ子政策の功罪を知る上でも面白いドキュメンタリーなので

いくつか印象的なシーンを挙げると、まずは、セイディが養親は祖母は家族と感じるけれど、それ以上の祖先の写真を観ても興味を持てないと語るシーン。確かに実際に会って関係を築くレベルの親戚を除けば、私の家系につながりを見出せと言うのは酷なんだろうなぁとぼんやり思ったりしました。

また、リリーが「高校生の時に、なぜだかわからないけれどずっと悲しくて、しかも、友達と共有できない感情だったのが辛かった。セイディとクロエならすぐ分かり合える」的なことを語っていて、海外から養子を迎えたら、絶対にその国から来た養親グループとつながりを持っておこうと思いました。
実際、パリで海外養子縁組をおこなった家庭を見ていても、定期的に同じ国から来ている家庭同士で交流を保っているようですし、やはり必要なサポートなんだろうなと思えます。私たちが全てを理解することが無理でも、同じ気持ちを共有できる人がいればいいなと。

ドキュメンタリーでは、養子に出されたこども側の目線だけでなく、一人っ子政策下の中国でこどもを手放さざるを得なかった親側の感情も織り込まれているのが、すごくグッとくるものがあります。
20年近く経ってからでも、「もしかして私が手放した子では」という希望を持って、親探しの広告に連絡してくる中国人の実親たち。もちろんそういう後悔を抱えているからこそ広告に気づくと言うバイアスはあるにしても、手放されなければならなかった悲しみを間接的にでも知ることは、同時に養子に出された子にとっては、癒しにもなっているように感じました。

あと、ちょっと本筋と離れるけれど、セイディの養親は離婚しており、母親が「セイディを迎える時に想像していた未来とは違った。約束した家族を保てなかった」と後悔を口にするシーンがあって、ちょっと気が引き締まる思いがありました。正直言って、養子を迎える夫婦っていうのは、それまでの不妊や養子に至るまでの道のりを一緒に乗り越えてきている割と頑丈なカップル、と言うイメージだったので、やはりだめな時はだめなのか、と肝が冷える感じはしました。夫と長くいいチームを組んでいられるように頑張ろう。

もちろん離婚がその時の最適解という状況はあるんだろうけれど、養子の場合は、こどもは既に実親と別れるトラウマを経験しているわけで、養親家庭では、少なくとも安心して育つ環境はきちんと与えないとダメだよな、と。ここらへんは最近少しずつ勉強し始めた「愛着(アタッチメント)」らへんの話と繋がってきそうだなと思います。

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