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うちの子、何人? 日本人の母、フランス人の父、生まれはラオス、育ちはフランス

フランス人のパートナーと結婚し、今年2023年にラオスから養子として迎えた一生(いっせい)と実子の二葉の4人家族です。1歳半と6か月のこどもを連れて、年末年始に日本に帰省することにしました。

これが一筋縄ではいかない話だったのでシェアしたいと思います。

私は、親も「日本人」で、自己認識も国籍も日本人。生まれがたまたまアメリカだったために、アメリカ国籍もあるアメリカ人でもありますが、そこにアイデンティティはありません。

私のパートナーは、フランス人。親も「フランス人」、生まれも育ちもフランス。そしておそらく我が家で唯一、「単一国籍」の人になります。

実子である二葉は、割とよくあるケースですよね。日本人の母、フランス人の父、そしてフランス生まれで、おそらくフランスで育ちます。成人するまでは日本とフランスどちらの国籍も留保できるし、だいたいの人は二重国籍のままにしていると思います。なんとなくですが、フランスでは、フランス人として受け入れられるし、日本でも日本人(ハーフの日本人)として受け入れられるような気がします。

さて、一生は何人になるのでしょうか。彼はエスニック的にはラオス(の中のどの民族かまでは、わからない)で、ラオス生まれ、現時点ではラオス国籍です。そして親は、二葉と同様、日本人である私と、フランス人であるパートナー、そして今のところフランスで育つ可能性が高く、フランス国籍も来年には取得できる見込みです。

フランス人であるパートナーとしては、一生も二葉となんら変わることなく「フランス人であり日本人である」べきです。これはミックスが多いフランスでは自然な考え方だと思います。

ところがです。

なんと一生は日本国籍はもらえないのです。悲しい。日本大使館に問い合わせて、本当にがっかりしました。

フランスでの養子縁組が確定したのち、それを日本の役所にも反映させる手続きをパリの日本大使館でも行う予定です。そして私が世帯主となっている日本の戸籍に、養子として親子関係が記載されます。それにより親子関係は認められますが、彼は国籍法によるところの「日本人」にはならないのです。

なぜっ!!私は日本人で、私の息子なのに!!

彼の場合は、「出生時」に日本国籍を取得していない(日本国籍の母または父から生まれていない)ので、日本国籍を取得したければ「帰化」しなくてはならないとのことでした。また、日本は帰化の要件に重国籍を認めていないので、フランス国籍を放棄しなくてはならず、フランスで生活する可能性が高い我が家には、全く現実的な選択ではありません。

ちなみにラオス国籍は、フランス国籍を取得する際に放棄することになります。ラオスは日本的なアプローチを取っていて、重国籍を認めていないと理解していますが詳しくは調べていません。

つまり、私の息子・一生は、日本人ではないとおっしゃる? ふーん。そうですか。

どういうことが起こるか。

現在ラオス国籍の息子が日本に行くためには、日本の短期滞在のためのビザを申請しなくてはならず、そのためには日本にいる家族から招聘状を書いてもらうなどし、かつ、十分な預金があるかを証明するなどをし(それはつまり、日本人である私の預金残高を提出するのですが、ここらへんで、だんだんなんでこんなことをしているのかわからなくなってくる)、大使館に赴いて事情を説明し、追加書類を提出するなど面倒な手続きをしなければならないのでした。

我が家がかなりレアケースなのは認めます。なので法の枠組みで想定されておらず、こういうことになってしまうのも、ある程度は仕方のないことだと思います。だから別にすごく怒っているわけではないんです。ただ、前述したように、がっかりしちゃったのです。悲しいんです。

私は、一生にどのように説明したらいいんでしょう。

家庭内では、日本語でこどもと話し、日本語も使えるようにびしばしやるつもりだったのですが、ちょっと弱気になってしまいました。私が日本人で、いくら日本語や日本の教育をしたところで、日本からは「君は日本人ではありません」と言われてる現実。私、びしばしやれるかな? 

そして、私はパートナーにひっそりと、「一生が日本のパスポートないなら、二葉も日本のパスポートは絶対作らない」と決めたことを伝えたのでした。

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