公開レッスン｜ガラス花器で技あり花いけ【マム×ウェディングフラワーデザイナー 岩橋美佳】

プロのフラワーアーティストが提案するアレンジ方法を無料で公開中。

花材を1種類入れ替えるだけで…
ひとつ前の記事に登場した「マム」「アスター」「リモニューム」のアレンジ。今日はリモニュームを「スモークグラス」という軽やかなグリーンに変えた、3種類の花材の花瓶いけのレッスンです。
今回は「折り活け(または折り留め)」と呼ばれる技法をご紹介。
なんとなく花瓶に…からステップアップして、自在に花の向きを決める楽しさに触れてみませんか。
小さめのガラス花器は、100円ショップで売っているようなシンプルなグラスで代用できます。早速、チャレンジしてみてください。

◆すべての茎が花瓶の底につかなくても大丈夫。むしろ浮いた方が軽やかになりやすいです。
◆5歩以上、後ろに下がって花全体を見ましょう。
◆テーブル面から花のてっぺんまで、全体のバランスが大事！
90度横にまわって、横顔を見る！客観的に見ることができれば直すべき箇所が自分で判断できるようになります。

使用花材
マム、アスター、スモークグラス

使用道具
ガラス花器、花バサミ

マムの花いけ方法
最初に、花全体をよく見ます。
それぞれの花の特色、大きさ、持っている特性などを観察し、活ける器に対してどのくらいの大きさで活けたらいいか、イメージしてみましょう。
器との一体感がある花はそれだけで魅力的になります。
水面下になる葉やこぶ的な茎はきれいに取ります。

菊系の花は、茎がまっすぐなものが多く直立してしまいがち。
折り活けという技法で、花瓶の中で茎を折り曲げれば、花顔の位置を変えられます。（説明上水を少な目にしています。）
今回の組み合わせでは大輪が一輪なので、まずこの大輪と器の兼ね合いを考えて最初にいけます。

アスターは全体を良くみて、つぼみが分かれている部分の上から切り分けます。
マムに絡ませたり、マムのがっしりした茎を支柱にしてそれに乗せるくらいの気持ちで、そっと花瓶にいれていきます。
アスターの茎はほぼ全部、花瓶の底につかないくらいのほうが、軽やかになります。

花が入った時点で、器に対しての花のバランスを確認します。
花の後ろに、額みたいなものを置いてみると余白がわかりやすくなります。
花そのものではなくて、花を置く空間をこそ飾る気持ちで全体を見てみましょう。

スモークグラスを花の流れにそって活けます。
2本しかない場合はとくに、向きを考えて高低差をつけると、いきいきとした雰囲気が出せます。
スモークグラスは風のように、アスターは音符のように、とそれぞれの特性にあわせて活けます。

最後に折り活けした部分までつくように、水を足します。水もまた花、と思って足しましょう。水の濁りにも気づきやすくなり花も長持ちします。

マムの取扱をマスターしましょう
マムの葉は折れやすいので、切花できれいな形のまま残っているもの意外と少ないです。ハサミや手で完全に取り除くのもテですが、なんとなく指でちぎって雰囲気をなじませるのもひとつのワザです。葉に霧吹きすると水が行き渡り、きれいに保てます。
茎はポキッと手折ってあげると、よく水が揚がるといわれています。
よく水を吸うので、水切れに注意して長く楽しんでください。

creator
岩橋 美佳 @bouquet_ichie
ウェディングフラワーデザイナー
「一会カルペ ディエム」主宰
works
都内各所での花店修行を経て、2000年夏「一会 カルペ ディエム」として独立。「たった一日の花、だけど一生記憶に残る花を」をコンセプトにオーダーメイドのブライダルフラワーを丁寧に作り続けている。
IFEX国際フラワーEXPO 幕張 2008～2010 南原農園ブースデザイン、
銀座三越「はなばな祭」展示、YUMI KATSURAドレスカタログに作品掲載 など実績多数。
media
「花時間」（エンターブレイン）
「MISS Wedding」（世界文化社）
「CLASSY.WEDDING」（光文社）
「ゼクシィ首都圏版」（リクルートホールディングス）
「花時間Wedding」
「人気の花別ウエディングブーケ247」　ほか雑誌掲載実績多数