見出し画像

先日会った友人が、貸していたテキストを返しながら
「あと、これね」
と出した赤いボール。
「なあに、ポケモンボール?」

違った!
隈取の根付が6種類あり、どれかが入っているのだとか。

画像1

むきみ隈でした。江戸のオシャレイケメン、助六でお馴染みですね。
しかし、根付としてはちと怖いかも……生首っぽくないですか?

ちなみに私が好きな隈取は、義経千本桜の狐忠信の火焔隈です(左下)。
義経千本桜は歌舞伎の三大狂言のうちの一つで、宙乗りのある『川連法眼館の場(通称:四の切)』が有名ですが、この隈は『鳥居前』での荒事仕様の時に見られるので、上演回数的にあまり見たことがありません。

根付といえば以前、こんなものを作りました。
手に持っている方は隈取を全部抜こうとして、抜きすぎたかなと思われたのでボツ。

隈取

狐忠信は白狐なので白い尻尾をつけたかったのですが、その時は見つからず、やむなし(ちゃんとしたファーなどはつける気がなかったので)。

今の第五期歌舞伎座開場の頃は、よく着物で歌舞伎見物していました。
『鳥居前』ではなかったけれど、義経千本桜の時にこれ ↑ を帯につけていきましたよ。

装いのどこかに、その日の演目にちなむ何かを入れられると楽しいです。
着物で観劇の時は、行きか帰りに行きつけの呉服屋に寄るのが常ですが
「今日は『娘道成寺』を観るの」
「だから鱗模様!?なんか悔しい~(多分褒め言葉)写真撮っていい?」
なんてやり取りも楽しいものです。

※ざっくりした解説※
『道成寺』は安珍清姫の話の後日談です。蛇に変化した清姫が安珍を追いかけ、鐘の中にかくまわれたところに巻き付いて焼き殺してしまった後、鐘の再建の日に美しい白拍子が現れて、鐘を拝ませてほしいと懇願します。
女人禁制のお寺なので一度は断ったのですが、舞うならよかろうと寺に入れたところ、舞ううちにおかしなことになってきて、本性=蛇が現れます。

和柄の鱗模様というのは、△が連続した模様です。これが蛇の鱗を現しているということで、この日は半衿と帯を鱗模様にしたのでした~。

道成寺ものは色々なバリエーションがありますが、衣装ぶっ返りで蛇に変化して鐘の上で見得を切り、捕り手たちも並んで蛇の胴体を現したところで幕(敵も味方もなくなるのが歌舞伎っぽい)というパターンが好きです💕

#私の作品 #隈取 #歌舞伎 #むきみ隈 #助六 #火焔隈 #狐忠信 #義経千本桜 #毎日note #日記 #エッセイ #スキしてみて

この記事が参加している募集

スキ、コメント、シェアも大歓迎! いただいたサポートは、カウンセリングルームを開く際の資金にします!