#14.詩 「てで。」

朝起きて
目が覚めるまで、ベッドの上でケータイ弄(いじ) って
仕事に行って
働いて
夕方、帰って来て
シャワーを浴びて
カーペットの上で、すやすやと寝て
起きて、ご飯を作って
それ食べて
お菓子も食べて
アニメ観て
そこらにゴミが転がって
でも、そんなことは気にしてなくて...
だんだん眠くなってきて
電気を消して
夢を見て――。

朝起きて
目が覚めるまで、ベッドの上でケータイ弄って
仕事に行って
働いて
夜、疲れて帰って来て
シャワーを浴びて
ソファーの上で転寝(うたたね) て
起きて、ご飯を作って
それ食べて
外を眺めて
ゲームして
いつの間にかゴミは溜まっていて
でも、それを気付かない振りをして...
だんだん眠くなってきて
脳みそ消して
泥に寝て――。

朝起きて
何もやる気が起きなくて
この時既に、身体はどこか壊れてて
仕事を休んで、もっかい布団に包まって
起きて、ご飯を作って、それ食べて
だけど、味が何もしなくて...
アニメを観ても面白くなくて
ゲームをしても楽しくなくて
タバコを吸っても落ち着かなくて
外を眺めても白と黒しか見えなくて
家中ゴミで溢れていて
それでも捨てる気になれなくて...
じっと見つめて考えて...
時計を見ると、寝る時間になっていて
何故だか今日は瞼閉じても寝れなくて

頭の中では、色んなことが踊って、、巡って、、、

何時しか心の中では、もう一人の自分と喋ってて。


「知らない間にゴミは溜まっていくんだね。」って。
「まるで、“ストレス”みたいだね。」って
「“悩み”や“不安”みたいだね。」って
「誰にも相談できずに一人で抱えていたんだね。」って

そんな、痣(あざ) になるような冗談を聞いて
「何言ってんだ。」って
もう一人の自分に空で笑う。


でも、それに連られて、真面目な話もしたりして

「本当にこれで良いのだろうか?」って
「無駄な時間を過ごしていないだろうか?」って
「仕事はこのままでいいのだろうか?」って
「本当に後悔しないだろうか?」って
「上手に笑えているのだろか?」って
「涙は流せているのだろうか?」って
「辛いって心が叫ぶ今、助けてくれる人はいるのだろうか?」って
「もし、そんな人がいてくれたなら、何て声をかけようかな...?」って

訊ねてみては彷徨って
曇っているのに訪れた朝は眩しくて――。



好きなことして生きてるようで
ふと我に返ると死んでるようで
楽しい日々、でも、退屈な日々で
心に罅(ひび) が入ってくようで

溜まっていくゴミが、まるで自分のようで
放っておかれて捨てられそうで
でも、だからと言って、誰かに頼ることも出来ないで...

とりあえず、やりたいことを考えたりで
だけど、それも見つかんないで
結局はまた、この繰り返しで
ここから全然抜け出せないで

でもそんなのはただの自分の“甘さ”で

そんな、檻から出ない情けない姿を見て
「何やってんだ。」って
もう一人の自分が鼻で嗤(わら)う――。

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