「俺は大丈夫!」は危険!加齢も男性不妊の原因になる!
こんにちは!妊活・子育てサポートアプリCOTETEで保育士監修ページを担当している、さとうなつこです。
不妊治療が保険適用になるなど、不妊治療に関して注目を浴びてきている近年ですが、残念ながらまだ世の中には『不妊=女性の問題』と考えてしまう方がいるのが現実です。しかし実際には、男性側の問題での不妊も多くあるのです。今回は、加齢と男性不妊の関連性、それに対する予防と対策について詳しく解説していきたいと思います!
<このnoteは『COTETE Labo』掲載記事です>
不妊の原因は女性だけではない
男女の割合
WHO(世界保健機関)の調査によると、不妊の原因は41%が女性側、24%が男性側、24%が女性男性両方に原因があり、11%が原因不明となっています。
この数値を見ると「なんだ!やっぱり女性側の原因が多いんじゃない!」と思うかもしれませんが、男性側に24%、そして“男女両方”が24%ということは、合計48%。ということは、不妊の原因の約半分は男性にも原因があるということなのです。
データ的には若干女性原因の方が多いとはいえ、男性も無関係とはいえないですよね。
どうして男性は「俺は大丈夫!」と考えてしまうの?
しかし、男性側の一部に「俺は大丈夫!」と考えてしまう人もいるのが事実です。どうして、「俺は大丈夫」と思ってしまうのでしょうか。
1、不妊=女性のイメージが刷り込まれている
妊娠・出産は男性はすることができず、女性がするものですよね。
そのイメージのまま、不妊=女性 というイメージを持ってしまっている人がいます。義両親だったり、上司、友達など周りから不妊は女性が原因だということを聞き、それを信じてしまっている方もいます。
2、芸能人など高齢でも父親になっている人の印象
芸能人や周りに、高齢でも父親になっている人がいると、どうしてもそのイメージが強くなってしまい、「俺も5、60代くらいまでは大丈夫だろう!」と考えてしまいがちです。
女性には『高齢出産』という言葉がありますが、男性にはありませんよね。
そのため、年齢による不妊の原因が男性にもあることに気づきにくいのです。
3、自分で気づきにくい
女性の場合、生理不順や基礎体温などで不調が目に見えてわかる部分があります。一方で男性の精子は目で見ても、不調はわかりません。そのため、自分では気づきにくいのです。
加齢と男性不妊
このように、気づきにくい『男性不妊』ですが、実際には加齢が影響を及ぼし、妊娠、出産、子育てに様々な問題を引き起こす可能性があるのです。
男性不妊において、加齢がどのような影響を及ぼすのか解説していきたいと思います。
加齢による質の低下
精子は精巣で作られますが、その精子の質が受精能力に繋がります。年齢が上がっていくにつれて、精子の正常形態率や運動能力率、精液の量と精子数が低下する傾向があります。これが妊娠の成功率を低下させる要因となるのです。
正常形態率は奇形がなく健康な形をしているかどうか。
運動率はしっかり動くことができ、卵子までたどり着けるかどうか。
精液の量と精子数は、加齢とともに減少するため単純に卵子までたどり着ける個数が減ってしまうということです。
生活習慣
加齢に伴って健康面でも様々な問題が出てくることがあります。
生活習慣の変化や慢性的な疾患のリスクが上昇し、それが不妊につながることがあります。高血圧や糖尿病などの疾患は生殖機能に直接影響を与える可能性があるため、男性も積極的な健康管理が求められます。
このように、目に見えないところで男性不妊が進んでいる可能性があるのです。
「俺は大丈夫!」の危険性
加齢が原因での男性不妊は気付きにくいため、多くの男性が自身の年齢を考えた際に、「俺は大丈夫!」という姿勢をとりがちです。
しかし、これが問題を見過ごす原因となってしまいます。
治療が遅れてしまう
自分はまだ大丈夫だと男性側が思っていて、もし男性側が原因の不妊だった場合、治療開始が遅れてしまいます。治療開始が遅れれば遅れるほど、女性側・男性側ともに年齢が上がり、妊娠の確率が下がってしまうことも。夫婦が妊娠を希望する場合は早期に検査や専門家の相談を受けることが非常に重要になっていくのです。
妻との意識の違いで夫婦仲に問題が生じる
なかなか妊娠に繋がらずに悩んでいる際、男性側が「俺は大丈夫!」と言っていると、妻側からすると「何を根拠に言っているの?」と思われてしまうことがあります。
そして、もし男性側に原因があった場合、女性が病院に通い続けていても意味がなくなってしまいますよね。‟子どもを持つ”ということは、夫婦二人の目標なのにも関わらず、男性側が協力をしてくれないと、夫婦仲に問題が生じてしまう可能性が大きいです。
男性不妊の予防と対策
それでは、男性不妊を予防し、対策するためにはどのような方法があるのでしょうか。
1、健康的な生活習慣
男女とも人言えることですが、健康的な生活主観を維持することが不可欠です。適度な運動、バランスのとれた食事、禁煙などが不妊リスクを軽減させます。また、定期的な健康診断をすることで健康状態を知るためには適しているといえます。
一見関係ないように思える飲酒も実は精子形成の機能低下に繋がります。
精巣内には、アルコールを代謝する酵素が存在し、アルコール代謝中には、アセトアルデヒドという有害な物質が生成されます。過度な飲酒により精巣内でアセトアルデヒドが過剰に生成されることは機能低下に繋がってしまうのです。
ストレスや疲労も男性ホルモンである『テストステロン』の分泌量が減少し、精子量の減少、精子の運動量低下、性欲減退などを引き起こしてしまいます。
そして、肥満の程度を示すBMI値が高ければ高いほど正常な精子の数が少ないという研究結果があります。
このように普段の一つひとつの生活習慣が重なり、結果的に男性不妊になってしまうことがあります。
2、受診し、検査をする
受診することに抵抗がある方もいらっしゃるかもしれませんが、やはり受診し自分の状態を知っておくのは大切なことです。運動率が悪い、少ない、だからもう妊娠に繋げられないというのではなく、生活習慣を整えていく中で改善していけるところは多いです。
病院を受診し、専門家の支持を仰ぐことは大切になります。
また、女性側からしても、夫が一緒に受診してくれることはとても心強く嬉しいのではないでしょうか。
最後に…
男性も加齢が不妊のリスクに影響を与えることを理解することは大切です。検査をしたわけではない、根拠のある「俺は大丈夫!」は、妊娠の可能性を下げてしまうどころか、夫婦仲を悪くしてしまうことにも繋がります。
加齢に伴う生殖能力の低下は、どうしても避けられない現実ではありますが、健康的な生活習慣や定期的な検査を通じて早期に対策を講じることで、妊娠、出産、子育てに向けた幸せな未来を築くことができるでしょう。
妊娠出産は女性の仕事!と思うのではなく、男性も妊娠計画において積極的に参加し、パートナーシップを築いていきたいですね!
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