流行ってるのに!「サウナで男性不妊になる」って噂は本当??
こんにちは!妊活・子育てサポートアプリCOTETEで保育士監修ページを担当している、さとうなつこです。近年、私たちの生活において、サウナは一種の癒しの場所として人気があります。「整う」という言葉も流行っていますよね。
しかし、「サウナで男性不妊になる」という話を聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。不妊治療の一部が保険適用になったり、少子化の問題が続いたりしている中、サウナが原因で男性不妊になったら…恐ろしいですよね。果たして、これは本当なのでしょうか?
この記事では、サウナと男性不妊について解説していきたいと思います。
<このnoteは『COTETE Labo』掲載記事です>
サウナとは?
まず、サウナについて詳しく説明しましょう。
サウナは、高温・低湿度の環境で体を暖めることを目的とした施設です。(サウナは湿度が高いイメージがありますが、実際は10~20%の超低湿度の環境です。気象庁がだす乾燥注意報の基準が30%前後なので、サウナが乾燥している環境なんですよ!)
一般的に、サウナの室温は80°Cから100°Cの範囲に設定され、湿度は低いため、汗をかくことが一般的です。サウナはリラックスや健康増進のために利用され、昔から多くの人々が通っています。
近年サウナブームもあり、色々なサウナ施設がオープンしています。
サウナが男性不妊になる?
サウナ=男性不妊と噂される理由
サウナと男性不妊に関する噂は、サウナが男性の精子に悪影響を及ぼす可能性があるという点に基づいています。なぜこのような噂があるかというと、下記のことがあげられます。
1、精子の温度感受性
精子・睾丸・精巣は熱に弱く、通常、体温よりも低い温度で最も活発です。サウナの高温環境では、体温が上昇し、精子に影響を及ぼすのではないかと言われています。
2、睾丸への影響
サウナに入ることで、睾丸(精子を生産する臓器)の温度が上昇し、精子の生産に悪影響を及ぼす可能性があるのではないかと言われています。
科学的な見解
結論からお伝えしますと、一般的にはサウナが“短期間で”精子の数や質に大きな悪影響を及ぼすという結論は出ていません。
しかし、安心するのは禁物です。
実際、精子・睾丸・精巣は熱にとても弱いです。卵子は女性の身体の中にありますが、男性の場合は身体の外にありますよね。
これは体温よりも低い温度だから体外にあると言われています。
身体の作りってすごいですよね!
そのため、高温の環境にいることで精子の量や質、運動率に影響があることがわかっています。
高温の環境が男性不妊に繋がる可能性は否定できない
サウナにより一時的に精子の数が減少する可能性がある
先ほど、サウナは“短期間で”精子の数や質に大きな悪影響を及ぼすという結論は出ていませんとお伝えしましたが、『一時的な影響』があるという報告はあります。しかし、通常の場合は短期的な症状であり、数日から数週間で回復することが一般的です。
他にも体調不良などでも精子の量や質に影響することがあるため、サウナで一時的に減少することが『男性不妊』という言葉に当てはまるかどうかで考えると、当てはまるとは言いにくいのかもしれません。
しかし、妊活をしていて一回一回の排卵日を大切にしているご夫婦にとって、一時的にでも精子が減るという話は、見過ごせないですよね。
注意すべきポイント
男性不妊に悪影響を及ぼす可能性は低いと言えますが、以下の点に注意が必要です。
①過度な利用
過度なサウナの利用(特に長時間の滞在)は体に負担をかける可能性があり、健康問題を引き起こす可能性があるため、適切な利用が重要です。
②個人差
人によってサウナが精子に与える影響が異なる可能性があります。そのため、妊活をしていたり、男性不妊に関する問題がある場合、医師に相談し、助言を受けるようにしたいところです。
精子・睾丸・精巣が熱に弱いという話いろいろ
サウナを例にあげ、精子・睾丸・精巣が熱に弱いという話をしましたが、人間の身体のつくり的にも体外で作るようになっていますよね。
そのため、サウナのような高温ではなく、日常生活の中で知らないうちに男性不妊に繋がってしまうような行動をしていることがあります。
えっこんなことで?と思うようなものも多いので、紹介いたします!
車の運転を多くする男性
フランスで行われた研究の結果では、仕事などで毎日3時間以上、車やトラック、タクシーなどの運転をする男性は、他の人に比べて奥さんが妊娠するのに長期間を有するというデータがあるそうです。
また、イタリアで行われた別の研究結果では、タクシーの運転手は正常な精子が少ないという報告が出されている他、ハンガリーでの研究では不妊症のカップルの男性側には運転手や配送業の仕事をしている男性が多いという結果があるようです。
日本のデータではなく、海外の研究にはなりますが、運送業の男性は精子運動率が低く、精子数も少ないという結果があります。
これは長時間座っていることで温度が上がってしまったり、通気性が悪く蒸れてしまったりすることが原因だと考えられています。
膝の上でノートパソコンをする
仕事の際など、膝の上でノートパソコンをする男性は、精子の状態がよくないと言われています。ノートパソコンの熱が伝わってしまうことと、長時間に渡り座っていて通気性が悪いということが理由としてあげられますが、サウナのような高温ではなく、ノートパソコンでも影響が出てしまうんですね…!
下着にゆとりがない
ゆったりとした下着(トランクスなど)と、締め付けられている下着(ボクサーパンツなど)、そして下着を履かない(!)の3択では、履かない>ゆったり>締め付けられている の順番で精子濃度は高く、総精子数、総運動精子数が多いという結果が出ています。
一方で、座ってから30分以上が経過することで同じくらいの温度になることもわかっています。
そして、テレビの視聴時間が長いことでも精子の質の低下が起こる研究もあり、やはり運転手同様長時間座り続けることでの温度上昇は、よくないようですね。
高熱
子どもの頃の高熱により、精子をつくる機関に問題がおき、精子が作られなくなってしまうことがあります。大人になってからの高熱は、その後の精子の生成には問題がないことが多いですが、一時的に状態が悪くなることがわかっています。
まとめ
サウナは一般的に、リラックスや健康増進のために利用され、ストレス解消の場ともなる場所です。
しかし、男性不妊に繋がるという直接的な根拠はないので、適度な利用であれば問題はないといえるでしょう。
ただし、お伝えしている通り、精子・睾丸・精巣は熱にとても弱い場所になりますので、現在妊活を行っていて、不安や質問がある場合、医師に相談することをお勧めします。
安心して妊活ができるように、夫婦で協力していきたいですね。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?