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reply。

久しぶり。元氣そうでよかった。甥っ子?いたっけ?そうか、もうそんなに経つのか。相変わらず変なことばっか考えてるんだな。キングギドラって言われてすぐ思い出せなかった。頭3つあったな、そういえば。そういうこと言い出すやつがいなくなったから、懐かしく読んだよ。考えすぎだってお前のほうが俺によく言ってただろうに。サンタクロースが実はパパだったって氣づくのよりは早く、ゴジラじゃないって氣づくことを願うよ。まったく懐かしいやりとりを思い出した。あれは車で橋を渡っているときだった。『どうして、新川を ”Shinkawa River” って表記するんですか?”Shin River” じゃないんですか?川をダブルで表記するんですか?かわかわ言いすぎですよ。え、わたしの英語力やばいですか?』と言っていた。外語大卒だからって俺に聞くな。しかしあれから、橋の表記を見るとお前を思い出す。どっちもあるんだ、あれ。○○川という名前で、読み方が ”がわ” と濁るやつだと、○○River、もしくは○○gawa River。一時、やたらと詳しくなったが、どの川がどう表記されているかはもう忘れた。どうだっていいことなのに、すぐにツッコミを入れてああでもないこうでもないと言い始める。しつこいからその談議に付き合おうかと思ったころには、お前はもう飽きていて、別の思考を繰り広げてひとりで笑ったり怒ったりしてたな。万華鏡みたいなやつだった。ずっと、そう思ってた。一体感と連帯感。お前と俺とじゃ、絶対違う解釈をするな。別個の人間なんだから、一体は無理だ。そしてその ”感じ・雰囲氣” を表現しているであろう ”一体感” も、無理だ。連帯感はまだしも、一体感は無理だね。人間というのは、分かり合えないと言う前提でいるんだ。今でも。『じゃあその、連帯感を超えて一体感を感じるためにできることはなんでしょうか?やってみたらいいじゃないですか?やる前から無理とかいうの、よくないですよ。ダッサい大人ですね』って聞こえてきたぞ。うるせーんだよ。ああ。そうだ。親父さんが亡くなったって、聞いた。だから電話したんだが、お前は出なかった。2年もあれば、誰かを失くすなんてことも、あるよな。大変だったな。嫌味言われても仕方ないし、申し訳なかったと思ってる。勝手だった。本当に。俺も相変わらずだと思っているが、でも少し、変わってしまった。お前がよく歌ってた歌を思い出してしまって感傷的になるあたり、年とったなと思う。やだね。



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側に居るだけじゃ見えないもの
離れていてもわかり合えること
同じ月 同じ空の下で 待っているわ
Thinking  of  you

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待ってなどいない。待っていてほしいも、言えない。十分待たせてしまったから。同じ月、同じ空の下で、生きている。そんなふうに考えたことがなかった。でもただそれだけで幸せだと、思うべきかな。お前なら何て言うかな。今更氣づいたんですか?ダッサい大人ですね、とでも言うんだろうな。後悔しても、もう戻らない。でも考えているよ、お前のことを。





















Thinking of you...
by BONNIE PINK



flag *** hana



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