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無理に描くのをやめた日

Twitterを断舎離して初めての誕生日がきた。
今までは何も言わなくても誕生日だと気づいたフォロワーさんからお祝いメッセージが送られてきていたが、今年はまったく音沙汰がないのが少しさみしくもある。
しかし、私は晴れて「絵(小説)をかく人」から「ただの人」に戻ったのだ。

Twitterで何かを発表していると、いつの間にかまるで自分がプロのクリエイターになったかのような気分になっていた。
少し絵が描けただけでちやほやしてもらえたし、いい気になってリクエストに答えたりもした。

スランプや体調不良、多忙で絵が描けない日が続くと、仕事が滞っているかの如く焦り、フォロワーたちに忘れられるのではないかという不安に苛まれ、人権がなくなると思っていた。

もちろん、絵でお金を稼いでいるプロではないのに、だ。

冷静になって過去の自分を振り返ると、おかしな精神状態だったと思う。
あまりの焦燥感に、去年からは「自分は一般人だ」と言い聞かせながらTwitterを更新していたが、特に改善することはなかった。
時間があればTwitterに投稿するための絵を描かねばと思っていた。

Twitterに戻らない気持ちで身を引いてまず感じたことは、「これでもう無理して絵を描かなくてもいい」だった。
我ながら大げさだなぁと思うが、とてもホッとした。

需要と山ほどいるフォロワーの地雷を考えてウケそうな絵を描くのは楽しくない。
これからは自分の好きなものを描いてもいいのだと思うと、肩の荷が降りる気持ちだった。

「井の中の蛙大海を知らず」という言葉があるが、大海だと思って飛び込んだTwitterが実は井戸だったのかもしれない。
私の世界はひとつ閉じてしまったが、それでも清々しいのは、やっと「作る人」という幻想(自意識過剰?)から抜け出せたからだと思う。

私はそのへんの大したことないフツーの人である。
フツーの人なので期待はしないでほしいのである。


追伸
私ちゃんお誕生日おめでとう。今まで頑張って生きてきましたね。エライ!
2○歳、もうそんなに若くないので無理せず楽しい一年にしようね。
誰も祝ってくれないので、今年は自分でお祝い。

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