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OVERDOSE(妄想小説)


 怖い夢をみた。
真っ暗な世界でひとりで臣くんを必死に探す夢。
どこを走っているのか、はたまたどこへ行くのかひたすら探す。
走り続けながら必死に泣きながら
臣くん!どこ!?臣くん!!
と叫けんで咽返って……目が覚めた。
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 横に眠っている臣くんに向き直りギュッと抱きつくと、Tシャツが鼻先に触れて彼の肌の匂いがふわりとした。
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『ん……』
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臣くんも、私に向き直って抱きしめ直す。
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『どした?』
『怖い夢をみたの……』
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どんな?と聞かれたけど口にするとまたあの怖ろしい体験をしそうで話せなくて。
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『臣くんがいなくなる夢』
『(笑)……いるじゃん』
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そう言っておでこにキスをしてくれた。
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好きすぎると
不安になるんだね。
臣くんといると幸せな分同じだけ怖いの。
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『臣くん……触って。ぜんぶ』
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そう言って、臣くんの唇を私は奪う。



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