眩しく尊いもの(妄想小説)
『もしもし、わたし』
『ん。知ってる』
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彼のこういう言い回し方が好きだと思う。
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眠そうにくぐもった声がスマホの奥からする。
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『寝てたの?もう昼よ?』
『……起きたよ、今(笑)』
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パチン。
パチン。
私の耳が彼の行動を探る。
空気清浄機にスイッチを入れて歩いている。
なんと、彼の家には8台も空気清浄機があるのだ。まず朝起きて少なくとも5台のスイッチを入れてあるく。
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『今何してんの?』
『仕事。今日は平日の真っ昼間よ?』
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バタン。