ため息の行方はとてもありふれた
「”漸近線”って言葉があるじゃん?」
美桜のネタふりはいつも突然だ。
「ん? あの、数学というかグラフとかの?」
孝徳はひっくり返りそうになった声をなんとか乗りこなしきって何とか聞き返した
「あれってさ、なんか『救い』に見えたんだよね。『低空飛行墜落せず』みたいな感じで、無にはならないんだな、みたいな。こう、時間がどんどんスローモーションになってどんどん遅くなっても全く動かなくなるわけじゃないんだな的な」
また突然訳のわからないことを言い出した。
でも言ってることがわかるよ