矢も鉄砲も、降ってきたりはしないわけで #ランダムおひねり
面白いことを書こうとおもったって面白いもんなんて書けるわけもなく……古の漫画の主人公みたいに人中のあたりに鉛筆を挟みながら、椅子の背側の脚を支点にゆーらゆーらと漕いでみたところで、結果は彼らと全然変わらないわけだけれど、私には誘いに来てくれるジャイアンもブタゴリラもいないわけだ。
くそう。
何も書けねぇ。
そもそもさ、鉛筆だって生協の注文の時くらいにしか使わなくなったのにこのためだけに机の上に置きっぱなしにしてあるんだよ。こういう無為の時間を過ごすこと前提じゃねぇか、覚悟が足らねーんだよ俺は。
……Apple Pencilだと重くてすぐ落っこちるからね。
……仕方ないよね。
外は雨。
鳴り響く雷。
なんかないのかね、こう、誰かの心を撃ち抜く矢みたいなお話とかさぁ。
キリキリとじっくりじっくり2000字かけて弦をぎゅっと引いてさ
最後の数百字で、スパン! って。
うん、弓道習っても3ヶ月で逃げ出したからね。
そもそもあんな一挙手一頭足ガッチリ決まってるようなモノが私にできるはずがあるかって話なんだけどさ。でも、あの感覚は好きだったな……ぎゅーーーーっと、するんだけど、あくまでソレはちからの仕事ではなく、自然な動きでなされていくもので、体がそのタイミングを見極めたらほんの少し指を動かして外してやるだけで自由を得たと勘違いした矢は完全に敷かれたレールの上を全力で疾走していくことになるのだ。トラブルやアクシデント、空気や風まで読めるような優秀な引き手であればそのレールは明確で強固で確実なものになっていく……なんてこと。こう考えてみたら完全にストーリーテリングと同じじゃないの。ああもう!
目の前にありもしない架空の弓矢とせっかく戯れていたのにやっぱり意識はしょっっちゅうこの、目の前の白紙に引き戻されてしまう。ああもう、ああもうー
なんていうの? この土星の輪の上をぐるぐるぐるぐるぐる回ってる感。
永遠に本体にたどり着けないみたいな?
だんだん真っ白なWordがフッカフカにみえてきた。お布団。こいつがお布団だったらいいのに。いや、お布団なんて贅沢なことは言わない。もうちょっとふかふかならソレでいい。硬そうだからいけないんだよPCの画面は。紙だってもうちょっっと柔らかさそうじゃん。ほら、あの脱脂綿のちょっとしたゴワゴワな感じでもいいんだよ。あれだって液体を含めばしっかりした骨っていうかスポンジみたいな感じになって頼りがいのあるものになるって思えばスプリングマットレスみたいじゃないかー! はぁ。
外は雨。
雷までごんごろごんごろ、なっている。
締め切りまで、あと2時間。
あぁ、雨粒が全て、重厚な矢になって私に向かって降ってきてくれればいいのに!
……いや、痛いのは嫌だけどさ。
No.3022 土星
No.3975 脱脂綿
No.3474 弓道
サポートいただけたらムスメズに美味しいもの食べさせるか、わたしがドトります。 小躍りしながら。