大好きな仕事で出会った素敵な出会い

私は、12年前ネット販売の仕事をしていました。販売していたのはCD、DVD、本などです。
今は、結構幅広くネットで観れたりしますよね。
私が働いていたところは、お客様対応はメールのみ。電話対応はしていませんでした。（電話は、ちゃんとありましたが・・・）
言った、言わないのトラブルを避けるためです。

とは言っても電話をかけてくる人ももちろんいます。あまり何回もかかってくるときは、出るようにしていました。

私は、その中で３人の心に残る素敵な出会いをしたと感じた方たちがいます。その方たちとのエピソードをお話しさせていただきたいと思います。

一本の電話から始まったつながり

商品を倉庫から揃え、事務所兼梱包の部屋に戻ると電話がなっていた。
いつも通り私は、出ませんでした。ところがまた電話がなりはじめます。また止まり、またなり始め今度はずっとなっています。さすがに対応しないとまずいなと思い（もっと早く出てという意見もあると思いますが・・）電話の受話器を恐る恐るとりました。クレームかなと思ってたので。

中年の男性の声でした。
「あのさ～商品が違うの届いたんだけど～」私はまずお詫びを伝え調べて折り返しお電話することにしようとしたんです。すると「いいんだよいいんだよ」「誰にも間違えはあるから」って笑いながらおっしゃってくれました。しかし、そのあと電話を切る気配がなくずっとお話をし続けてきたんです。
結局50分近くその方とお話ししました。

その方は、お一人で暮らされてて奥様が５か月前に亡くされたばかり二人でみた作品をうちのサイトで見つけて購入してくれたそうです。
「そんな大事な商品を間違えたの～？？？？」と私は内心ビクビクしてしまいました。ところがその方が「ごめんね。商品は間違ってなかった。ちゃんと見れたし二人で観たときのことを思い出したら、誰かと話したくなって・・・」とのことでした。
私は、ほっとするのと同時に自分が扱ってる商品のすごさを感じたような気がしました。

正直、仕事は好きでしたが扱っているのは新品もありましたがほとんどが中古で古いものが多かったのです。価値観がまったくわかってなかった。こんなの売れるのかなあみたいな感じでした。
いろんな人の思いが詰まった商品。
古いから探してもなかなか見つからない商品。
そんな貴重なものを扱ってるんだと商品への大切さ、愛着さえも生まれていました。その方とは、３日間メールのやり取りをさせていただきましたが、そのあと相手してくれてありがとう。思い出を大切に・・・とメールをいただいたのが最後になりました。

メールから伝わってきたチャレンジ精神

いつも通り、受注確認をして、メールのチェックをしていた時に問い合わせが何件か入っていました。そのうち急ぎの方を対応してると一人の女性のメールで「今注文をしたのですが、ちゃんと注文できてますか？」の注文確認のメールでした。
注文を頂くと自動で「注文承りました」という確認メールが行くことになってるのですが、見落としているのかちゃんと届いてないのかわからなかったので、そこからやり取りがはじまりました。支払方法の選び方は、あってるか発送の方法はこれであってるか、あとはやることあるかどうか、何かあったときはどうすればよいかなど順番にご質問が来て、一つ一つ確認させていただきました。こちらにもちゃんとメールが届いていたのであとはお任せくださいとお返事して、無事に完了。他の発送も終わり発送通知を送りほっとしていたら、メールが『ポロ～ン」。その方でした。

年配の女性の方でした。初めてネット販売で買い物をしたそうです。
買ってくださってのは、CDでした。ご主人が定年退職したのを機に、昔に一緒に行った場所や食事、音楽、映画を楽しんでるそうでその中に一緒に聞いた昔の曲のCDを聞こうとなり、探していたそうです
でも昔のなのでなかなか見つからず諦めかけてた時にうちの出しているサイトを見つけ購入してくれたそうです。そのとき購入するのはいつもお店、ネットで探したは良いものの、いざ見つけたらこれであってるのかとかいろいろ悪戦苦闘したそうです。

あなたが担当でよかったと言われたときは、人の大切な時間に関わらせていただいて、逆に感謝しかありませんとお伝えしました。感謝していただけたうれしさとそのかたのチャレンジ精神に心打たれました。
年齢関係なくいろんなことにチャレンジするって素敵だなと思わせていただきました。

障がい者の方たちとの仕事

私の会社で一時、障害福祉施設の方と繋がりがあって、仕事がなかなかない（内職的な）とのお話しから、うちの会社の作業の一部分をやってもらうことになりました。私の息子も軽度の知的障害で今仕事はしていますが、会社の理解、仲間の理解、上司の方の理解すべてがそろって成り立ってることです。息子もそれに応えるべく、通常のお休み以外はとらずに頑張っています。（会社からは有給とりなねと言われてるみたいですが・・・）
そんな生活環境もあって、一緒に仕事をしてみたいと思いました。

その方たちには、データー入力（商品登録）をしてもらうことになりました。一度登録すると数が多いため訂正や確認がむずかしいため、職員の方がついてやってもらうことになりました。

会社に商品をとりにきてもらって、登録が終わったらもってきてもらう。わからないことがあった場合は、電話で確認してもらうというスタンスでやっていきました。会社が二階だったため、車いすの方は、着たい気持ちがあっても来れない状況でした。なので電話応対はご本人に練習をかねて（これから就職して経験するかもしれないので）かけてきてもらうことにし、なるべく関わってくれる人たちとコミュニケーションがとれるようにしたんです。

私が逆に教わることが多かった。とにかく純粋でまっすぐなんです。言われたことを一生懸命こなして、緊張したりしてもチャレンジする。それがすごく伝わってきて心が洗われるような感触を受けました。二年ぐらいやっていただきましたが、うちも売り上げの問題とかあって打ち切りになりました。
でも、関わらせていただいた約2年貴重な体験をさせていただきました。

人との関りが苦手な私ですが、人との出会いで感動や勉強、刺激になったことは数知れずあります。
みんな何かに悩み、何かを抱え、まっすぐ前に進もうとしてる。今たとえ時間が止まってしまったとしてもまた、時間がそこから始まる時が来ると私は信じてます。

大好きな仕事で出会えた大切な人たちをずっと忘れずにいたいと思います。

最後まで読んでくださってありがとうございます。
読んでくださった方も、私にとって大切な方です。