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いつもの「優先順位」を変えてみると、前に進めるかもしれない

自分の中で、「優先順位が変わっちゃったな」と思う体験をしたことはありませんか?


私が鮮明に覚えているのは、25年前に新婚旅行で行ったバリ島。
海岸に立ち、太平洋の水平線を遠く眺めたとき、

「海の向こうに日本列島があるんだなぁ」

と思いました。
日本からの距離が遠くなるということは、日本は相対的に小さくなります。
そのとき初めて、
「あ、日本って小さいな」
と実感しました。

UnsplashのThomas Vimareが撮影した写真




もちろん、肉眼で見たのではなく、水平線の遥か彼方の想像。
生まれてずっと「距離ゼロ」で接してきた日本。
距離がゼロの時は途方もなくデカかった日本。
それが、数千キロ離れたとたん、小さな存在に見えました。
そして生まれ故郷の日本が、初めて世界の中のローカルとして実感できたのです。

この時の気持ちは、一抹の寂しさと、妙に心が軽くなった感じが入り混じった、とても複雑なものだったのを覚えています。



人の優先順位を変える体験は、必ずしも海外旅行のような長距離移動や、大切な人の死、受験の失敗、といった人生の一大事とは限りません。

「ふと空を見上げた」といった、ありふれた行動で、ものごとの優先順位が変わることがあると感じます。

そして、優先順位が変わることが、再び前を向いて進む糸口になることがある、と強く感じます。

では、どうして、優先順位が変わることで、前に進む力が生まれるのでしょうか。

それは、もしかしたら、私達が現在大事に抱きかかえ、正しいと思い込んでいる習慣や考え方が、本当に自分にとって大事なものと、少しズレているのかもしれません。

人間は、自分に近いところにあるもの、接触頻度が高いものを重要と認識します。
近くにあるものは、自分に影響を与えてくる頻度が高いので、これは自然なことでしょう。

いつも生活をともにする家族、会社の同僚、まちの風景、地域の方言、お店の人の接客態度など。身近にあるすべての物、コト、人が、私達に絶えず影響を与えています。

でも、それが本当に自分にとって大事なこと、人生において時間を遣うべきことであるとは限りません。

身近にある物やコトや人が、本当に大事なこともあれば、ただ埋没して、他のことが見えなくなっているだけかもしれません。

自分が普段いるところから物理的に遠ざかる。
振返って、そこを離れたところからただ見てみる。

ただそれだけで、自分でも驚くほどわかりやすく、優先順位が変わることに気づきます。


🗾旅行先のバリから、太平洋を隔てた小さな日本を想像したとき
🚑定期検査で行った病院から、五体満足な日常をふりかえるとき
☂️出張先の東京のホテルから、天気ニュースで遥か地元の地図を見るとき
✈️飛行機の上からジオラマのような地上を見下ろすとき
🚃休暇の朝、短パンでぶらぶら歩きながら満員電車を外から眺めるとき
😔家族の葬式の後、斎場から喪服で道行く人の日常を眺めるとき
✍️新資格の講習会に参加しながら、普段の仕事を思い出すとき
、、、

普段との距離のあるところから、普段を遠巻きに見てみる。
物理的な立ち位置が変わるだけで、人のものの見方は驚くほど簡単に変わります。

人生で行き詰まった時、ただリフレッシュしたいとき、視野を広げたい時、ちょっとだけ自分がいる位置を変えてみると、何か気づきを得られるかもしれませんよ。


最後まで読了頂きありがとうございました!

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