39話 初めてのスタジオ③
スタジオにひとり残った僕が、念願だったエレクトリックハーモニカサウンドに酔いしれていると、休憩を終えた3人が談笑しながら戻って来る。休憩に付き合わなかった僕への気遣いもあってか、まず全員ができるブルースからやろうという話で落ち着いたようだった。
僕はたった今、初めて自分の音がイメージ通りに出せた事に感動し、1秒でも早く演奏をスタートさせたかった。それがブルースならば好都合ではないか。すぐにKeyを決め、曲へと話が進む。
けれども、この日はブルースすら上手くは行かなかった。た