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「メロンメロン」ってなにっ?!子どもの認知能力のはなし

家族で山へ行った時のはなし。

「頂上から残雪の山を一望したい。しかも楽(らく)して。」という夫の要望で、私たちは1万円近くの大枚を払ってゴンドラとリフトのセット券を手にした。

ゴンドラに乗り込むと、高所恐怖症の夫はできるだけ中心部を確保する。山頂には行きたいがその過程のゴンドラは怖いのだから扱いに困る。
やがてベルが鳴り、ドアが閉まる。
ゴンドラは「ガタン」と振動をして、その後は山肌を滑るように登っていく。
渾身の力でバーにしがみつく夫。
父を守ろうと、目下の景色を逐一報告する息子たち(逆効果!)。
もはやそれが耳に入っているのかいないのか。
夫は順調に(?)固まっている。

そこで急に娘が叫び始めた。「メロンメロン!」と。
彼女は、どんな小さな虫も見逃さず執拗に怖がる節がある。
ゴンドラ内に虫でも見つけたかと思い、「虫さん?どこ?」と訪ねるも「メロンメロン」の一点張り。挙句の果てには「メロンメロンやってくるーっ!」と泣き始めた。
なんなんだ?メロンメロン!?
どこなんだ?メロンメロン!?
他の客のことも気になり、私と息子たちは必死にメロンメロンを探す。

すると、長男が、「あっ!」と窓の外を指さした。
「お母さんあれじゃない?」
視線の先には、山肌に映し出されたゴンドラの影。
それは小さくなったり巨大になったりしながら、木の凹凸をひろい波打つようについてくる。いびつな円形にローマ字のTを乗せたような影は、確かにメロンのようだった!

「ほんとだ~!!!」

そこからは、景色そっちのけでメロンメロンの追跡に一家で夢中(夫以外)。

娘の見ていたものに気づいた長男もあっぱれだし、こんな風に世界を受け止めている娘の感性たるや!そして、ネーミングセンス。
サイコーだね!!

子供の認知能力をそのまま投影するメガネがあれば、それ越しに見る世界はどんなに楽しかろう、恐ろしかろう。
リアルスーパーマリオだな。
つくづく、この子ら素敵だな!と嬉しくなった母でした。

え?夫は大丈夫だったかって?

これには、続きがありまして。
それは、また、別の機会にいたしましょう、、、。

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