見出し画像

MV解説 「Giant」字幕版

「Giant」の日本語・英語字幕版のダウンロード版を作成しました!

IMERUATの「Giant」は2012年発表の1stアルバム「Black Ocean」に収録されている曲です。またミュージックビデオはスイスの寺院と原野で氷点下の中、3日間に渡って撮影されたもので、2013年に公開されました。

あれから7年の月日が経ち…そう「Giant」は奇しくも、あの、いや、「この7年」を併走してきたわけです。一年一年、確実に語りづらくなってきていること、そして周囲の真面目で優しい人から次々と憔悴していく現実を突きつけられながら、同時にライブだのなんだので、そういった社会の症状の前例を未来形にしただけのような「ディストピアの作り方」を綴った曲とずっと付き合ってきたという併走です。いくら繰り返されてきた在り来たりの歴史の焼き増しのような内容だとしても、毎年のように照合確認がとれてきたというのはさすがに怖い。そしてさらにまたこの度「憂いや励ましの声が届かないまま眠るように目を閉じた」という事実を再確認させられ…現実がGiantを超えて先を走り始めてしまったという実感に襲われました。大袈裟かもしれませんが、正常性バイアスの方がよっぽど怖いし、表現者がそれってかなり間抜けだと思います。で、何をしたか。「Giant」のアップデートです。当局を恐れて遠回しな表現をしている地下ラジオボイスというネタで、しかもそれがドイツ語で英語圏の人さえ『何言うてるか分からん』と思ってる人だらけだったとというのであれば…と、日本語訳・英語訳版を用意しました。歌詞(ディストピア予想)の範囲を増やすのではなく、「Giant」ってそもそもなんなんやと。その範囲を広げようと。それだけでもかなりこの曲の見え方は違ってくると思います。

と、そんなわけで、SNSやブログ、ホームページなどにでシェアして頂くという条件で…(という体で)、是非どうぞ。リンク先の「MV "Giant" with English and Japanese subtitles」を右クリックで保存して下さい。

「Giant」日本語訳・英語訳版 ダウンロードページ

余談ですが、とあるコンサートで「Ginat」のオーケストラ版を演奏したことがありました。あのとき、司会者に「この曲は何を表しているんですか?」と訊かれたんですが、「国家権力です」とポロッと言っちゃったんですよね。その一言だけ。もちろんドン引きされました(笑)。今でも後悔してるんですが…。いや、もっとガッツリ言えや、分からへんやないか、という意味で。確かに「巨人=国家権力」を表した曲なんですが、「こういうことなんですよ」ってのはもう少し言わないといけない。IMERUATには実はこんな曲が沢山あります。反権力曲はもちろん反・反権力曲だってあります(その代表曲である「Left」も字幕つき検討中!)。ガス抜き専用の「やきそばパン」や「のみたいな」などの<何も考えていない曲>もあります。「暗殺したい!」でも痛感しました。ロクに支持を得てないくせに、隠し要素入れすぎなんだよ、と。せめて「Japan is over」の文字見つけた!くらい言わせろよと。思い上がっていてはいけないのです。でもそれだけIMERUATの楽曲は何段階も楽しめるようになってるので、Stay at homeの今を利用して是非分解して下さい。しかしこのペースだと、20年くらい経ってから「えええっ!」となる曲もありそうで…^^;

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?