「カベ」の見方
カベをとりあえず設定した上で、こちら側と向こう側とをともに平穏な状態に保つ。カベをすり抜けてしまう心が猜疑心など否定的なもので満たされないように。
(先日ニュースになったABC予想証明の望月新一先生のブログより意訳。)
カベなんていらねー!
よりは非常に好感が持てる。
勿論複雑で難しくはなるのですが。。。
カベを考慮に入れたより【やさしい社会】的なアイデアではありますが、底流する思いは私には理解しにくいもののようです。
まあたしかに英語とか英米の文化って長らく下っ端に置かれたことがないし、ネイティヴは、善意ではあっても、図らずも他者を下等なものと見下すような態度になりがちなのかもしれない。
その背景には、彼らには彼らなりの苦労もあるようで。。。
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(背景)
カベはある。
けれど。
多分、彼らがカベに「飢えている」というのは違うと思う。「ある」んだから「飢える」必要はない。
むしろ、「ない」という荒唐無稽を真に受けて苦しんでいるイメージ。
カベはあるのに素直に「ある」って言えないように仕向けられている。
幼年期の相当早い時期から「道徳的な葛藤なんてこうすりゃ解決できる」「さっさと解決しろ」「いつまでも拘るやつはうすのろ」みたいな感じで”カベの曖昧性”がすっかり忘れ去られているイメージ。カベはあって、しかも、それは鉄壁な岩盤のようなものではなく(ではあっても)、すり抜けてしまう何かがある、というようなものなのさ。
そんなカベの実態について全く知らない(カベはきっちりかっちり仕切って、あっちとこっちとを完全遮蔽するものと思い込んでいる)親が子を育てるわけだから、もはや世の中からは、道徳的葛藤みたいな曖昧なものがほぼ存在しないことになっている。「そんな曖昧なことに拘ってグズグズしてるとおカネも稼げなくって死ぬよ」って感じ???
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まあそんなわけなので、私の感覚では、カベ自体よりも、あっちでもこっちでもいいから生きている者同士、よしなにやれる方法に拘りたいですね。
カベはある。
そう前提する方がより現実的。
それを理念や気合だけで取っ払えると思い込み過ぎるのは危険だ。生身の人間のキャパを超える。矛盾は現実の問題として現れる。
問題はカベをどうとらえるか?
そもそも存在しているカベ(肌の色の違いとか)が、「乗り越えられて当然でしょ?」ってことで実質カベとして意識されないよう仕込まれているから、却って悪意なんてないのに差別化が起きてしまう。で。悪意がないから図らずも暴虐なものにもなりやすい。
かといってカベを意識させようとすると各々勝手な解釈が始まる。ポリコレ、アイデンティティ・ポリティクス。。。
数学はよいメタファーにはなり得ても(そんなことまで分析できるものなのか!という驚きも含め)、実際的な解決を提示してくれるとは思えない。
数学のモデルは現実から出てきていても、これから現実になるものには当てはまらないこともある。特に私たちにとっては常に起こる現実が先だ。数学モデルなんて引っ張ってきている暇はない。
現実に起きたことと言ったって、全部を知るなんてできていないわけで、だからこそ数学も、たとえ今この瞬間に全てが停止したとしたって、おそらく半永久的に続けられることだろう。
これから起きることには当てはまらない可能性があるとしても、既に起きたことをより正確に知ることには意味がある。実際数学の正確性はこれから起きることだってかなり正確に予測できたりもする。外れると言ったって確率でいえばそんなには外れない。
とはいえ。一人、一つのモデルで全てをケアすることはできない。
一人一人の人生は分からないことだらけだ。
言葉は大事。
間違いは起こすから。どんなに気を付けていたって。
遅れてもいい。
納得いくように語り直す。
なんで?そんなことしたって間違いは消えないじゃん?
それでもいいんです。
人間同士が信用できなくなってしまうよりは。
納得いかないまま死んでしまったら、その人自身も不幸だけど、周りにも悪い影響が及ぶ。
結局死んじゃった人の真実が分からないままになってしまうから。
勿論必死で真実を残したつもりでも、そのようには読んでくれないことだってある。
でもね。
真実を残そうとするのはそれを読んでもらうためじゃないの。
残された人々に、お互い信用し合って生きていってもらうため。
どういう理屈???
真実の言葉は時間と空間を作り出す。
間違いったってこの世の終わりではない。
間違ったのは何?どこ?原因は?受けた罰は大きかった?それは自分自身が?もしくは周りの人々が?
生きている私たちはきっと間違いを起こし続ける。
でも、既に死んでしまった者の無念を心に留めることができるなら、生きている者の言葉には真実が宿る。
自らの過ちに無頓着にならず、かつ、言い訳(チープなウソ)では済まさない気持ち。
既に起こったことは、言い訳なんてしている暇はなくて、一体何がどういう風にして何故起こったのか?より正確に知ろうとするしかない。それができないということは、どんなに富を手にして、立派な病室で安らかに看取られようが、幸せを手にしたとはいえない。
「こうすりゃ逃げ切れるのか。。。」って方法(例:沢山お金稼いで立派な病院・施設などで終末を迎える)は、誰にでもは無理だよね。。。
みんながみんなアクセスできるわけではない”いいもん”ってさ。。。人間同士で疑心暗鬼や妬み嫉みが増してしまう。
死んだ人のことぐらい信用してあげられないんじゃさ(例:えーのー。金持ちは満足気に死んでいけて。。。とか)、生きてる人のこと、ちょっとでも信用するなんてまず無理よ。
で。それはそれでいい。
だって話し合えるもの。生きてる者同士であれば。実際生きてる人って何言ってくるか分かったもんじゃないしね。
「死んじゃった人のことを信用する」とは、死んじゃった人のあれこれを誉めそやすとか、本当は色々忘れてて憶えてないから、割と真面目に検証したりして、立派だった部分を確かめるとかではない。自分自身の過去を分かる範囲で見直してみるということ。「ゲゲっ!ヒトって死んじゃうんだ!」ってことでね。。。「うー。今ここで死んじゃったらどうなるんだろ?」みたいな感じで。
そうすることによって、死んじゃった人たちが道途上で知り切れなかったことがあったに違いないと思い付く。ほんでもってそれ(いわゆる遺志)を引き受けるということ。
そうすれば、自分が今ここでぽっくり死んじゃったとしても、きっとどこかの誰かが骨は拾ってくれる。んじゃないかなー?と信じようとすることぐらいはできるようになる。
生きている者同士面と向かって信用し合えるとか???夢物語さ。この点では望月先生のお気持ちの欠片ぐらいは理解できる。ともかくカベはあって、難しいのは、私たちの思念は、カベをすり抜ける、というところなのだ。
信用し合えるなんて夢と思うからこそ、丁寧に向かう。
そうしないと分かり合えないから、とかいう甘っちょろいことではなくて、骨を拾い、そして、拾ってもらうため。
人間同士の信用なんて脆いもんなんだから、そのための伏線はうっすらとでも地道に繋ぎ続けていかなければならない。
現世利益(例:生きている者同士の相互信用とか)のみが私たちの生きている意味ではないでしょう。
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(小洒落た分析は嫌い)
サイバネティックスとか。。擬とか。。。面白いけれど所詮小道具でしょ。
「つもり」とか「リアル」とか。。。
そんなのがごっちゃなのなんて今初めて分かったことではない。
それにどう向かえるか?が難しい。
あんたにそのつもりがなくたって他の人はそのつもりで読むだろうし、あんただって他人のつもりなんて関係なしに勝手に「つもり」を読む。
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現世利益だけが生きている意味みたいないい加減な生き方では、世代を超えた信頼関係の醸成なんて無理。
世代を超えた信頼関係なんて興味ないし全く幸せでもなんでもないし目指したくもない???
そうですか。
じゃあ何が幸せ???
「いい仲間に恵まれた!ありがとう!」って自分だけ満足顔で死んじゃって、周りのみんながみんなして「良い人だったね(以下省略)」。。。
そんなのが幸せなんだ。
一人でも二人でもいいから「ありがとうございました。ゆっくり休んでください。あとは自分らが頑張ります。」ぐらいのことを思って欲しいなら、生前出会う人は誰一人として小馬鹿にはできない。注意不足で見逃したり、誤解したりすることは多々あるとしてもね。
私なんて、ちょろっと会っただけの人だって、超ぞんざいな扱いを受ければ絶対に忘れない。何故って?そんな風になりたくないから。なりたくないと思うならより正確にそういう人間のことを知らなければならない。怒っている場合じゃあない。結構怒るけど。。。ある意味死んじゃった人と同じ。もう二度と会うこともないんだし。ただただ何がどうなったらちょろっと会うだけの人間のことをよく知りもしないのに、あからさまな侮蔑的態度で向かって行って平気でいられるようになるのだろう?きっとわけがあるにちがいない。そういうことを考える。分からなければ勉強もする。ここまでいけばもはや愛といってもいいだろうと思っている。
軽はずみに愚かしい間違いを起こし続けるのが私たち人間。
そんな人間の、間違いをも含めた真実は、十分引き受ける価値のあることだ。
忘れた方が楽?
そりゃそうでしょ。
論理的に物事を分析するというのは生まれ持っての能力(頭が働く、だけでなくて、体力的なものも含む)が求められるし、できない人はさっさと忘れるべき。くれぐれも恨み辛みを持ち越さないようにね。「忘れた忘れた」って言うばっかりで怨念に満ち満ちている人って結構いるからね。。。
怨念持ち続けられる人なら、私は論理分析をとりあえずはおススメしますけども。だって恨み続ける体力はありそうだからさ。
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