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【社会人男女6人でやってみた】キャリアの棚卸しから”やり続けられること”を考えてみた

以前、『高いパフォーマンスを”再現”するには』という記事で人生の棚卸しワークシートをご紹介しました。

そのワークシートを用いて、先日、20代後半から30代前半の社会人6名に対してキャリアの棚卸しワークショップを行いました。

メインはペアになって行うインタビューワークで、こちらはみなさんも誰か一人つかまえればやってみることができるので、今回はそちらを感想などとともにご紹介していこうかと思います。

先に感想を読んでみてからインタビューワークをやってみるか考えるのもありだと思います。

インタビューワークの流れ

棚卸しインタビューワークは下のスライドの流れで進めました。二人一組のペアワークで行います。利害関係のない二人で組むというのがポイントです。

インタビューされる側の人は自分の人生の棚卸しワークシートを見せながらこれまでのキャリアを紹介。それを受けて、インタビューする側の人は相手の成功体験を掘り下げていきます。

このワークでのゴールは、自分のキャリアの棚卸しをし、want toを探ることです。want to(やり続けてしまえること)は自分の中では当たり前すぎていたり、社会的な価値観に引っ張られて見えにくくなったりしていて、なかなか気づきにくい場合があります。

それを、対話という形式にすることで、相手の反応や質問に応じて即興で出てくる自分のひらめきや言葉から深めていくことができるのがこのワークの利点です。

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気をつける点としては、自分が質問する側の時には相手がとにかく気持ちよく喋れるようにするということです。リアクションを大げさにすると良いでしょう。

もっと話を聞かせてほしい、すごく興味深いといった様子が伝わるような姿勢で相手の話を引き出してください。

want toの掘り下げ方

その人がやり続けられること・やりたいこと(want to)を探るのですが、なるべく具体的な行動になるまで掘り下げてみてください。

たとえば「彼のwant toは物事の構造を分析をすること」ではまだ粒感が粗くて、どんな物事についてだったら分析したくなるのかまで掘り下げられると良いです。

今回のワークショップで実際にあった例で言うと「〇〇さんは、やらなければならないと使命感を持ったことはやり続けられる」というのがありましたが、これではまだ掘り下げが甘いです。

使命感を持ったことをやり続けるのは当たり前の話。その人がどんなことになら使命感を感じることができるのか、やらねばと強く感じるテーマとは何か、こういったところを探求するのが大切です。

結局その人は何をやり続けてしまえる人なんだろうというところに着目して鋭く質問していきましょう。


参加者の感想と僕からのコメント

3時間のワークショップの最後に参加者の皆様から感想をいただき、僕の方からワンアドバイスさせていただきました。

そちらを、実際のワークショップの雰囲気が伝わるよう、いつもより実際に話している言葉に近くして紹介していきます。
※個人情報に繋がる部分はカットしてあります。

頑張れる人と頑張れない人がいるのではない

みなさんの話を聞いてるのも、皆さんの人生の充実度曲線を見ているのも、あぁ自分と同じだって思うところもあったりそういう考えもあるんだと思ったりするところもあってそれがすごく面白かったですし、フィードバックとしてのはまのりさんのコメントも自分じゃそこ気づかなかったなぁとかっていうところがあって非常に学びの多い時間になったなと思います。
IT業界/男性
仕事は頑張るべきだと思うんですけど別に今そんなに仕事でめっちゃ成長したいみたいな気持ちもないし「なんかもっと大事にすべきことがあるのでは?」ともやっとしていた時に
「自分がどういう世界観を作りたいかを考えてみたら?」とはまのりさんに言われたことが救いになりました。
別に仕事における成長だけを人生においてのゴールとしなくてもいいんだと。そこを考えればいいんだということが明確になりました。
ITベンチャー/女性

僕からのコメント
頑張れる人と頑張れない人がいるわけではないんです。頑張りたいテーマと頑張りたくないテーマがあるだけ。
だから頑張りたくないテーマなのに頑張れっていうのはそもそも無理なことで、それができる人はいません。
ところが、20代の時は”私は何者でもないしスキルを身につけなくちゃいけないから”っていう強迫観念でそれでもやれてしまったりする。
でも、さすがに30代に入ってそれだとキツくなってきます。
”自分が思わず頑張る気もないのに頑張ってしまうテーマは何ですか?”ということを仕事プライベート関係なく考え続けられたりとか企画し続けられる方が楽しいよねっていうそんな話かなと思います。

対話によって得られるもの

自分のキャリアや自分の考えを深める良い機会になりました。
やっぱり普段仕事をしていると自分のキャリアを振り返る時間とかもあまりなくて、こういう機会がないとなかなか自分のキャリアを考えたり価値観を改めて見直したりとかっていうことはなかったと思います。本当に良い機会になりました。
IT業界/女性
普段自分が思っていることを言語化する重要性と対話をするってことの重要性を感じたというか。
なんかこう自分で考えているよりも他人と話をして聞いてもらうことで自分の思っていなかったことが出てくるっていうところを改めて今日感じました。
IT業界/男性

僕からのコメント
一人で内省するのはそれはそれで意義があることなんですが、一人で考える時って自分が思いついたこととか考えたことを直感が打ち消せてしまうんですよね。
ですが、誰かと対話しているときには問いが立てられたことに対してスピーディーに答えていくので、直感が打ち消す間もなく先に答えがパンと出ちゃって、後から何で自分こんなこと思ったんだろうとか言ったんだろうってことを探求する流れができるんです。
だから対話をする時には一人で考えるのとはまた違った面白さがあります。

覚悟は決まるもの

参加者Fさん(エンタメ業界/男性)
すごく気づきになったところがたくさんありました。”あぁ、そうか”と感じる瞬間が多かったです。
自分は大学の頃から芝居を続けていて、エンタメが好きだと思ってその道に進んだのですが、今は業務としてはマーケティングをやっているんです。
そうしたら、コンテンツ作りじゃなくても楽しんでる自分に気づいて。なんでだろうってのは謎だったんです。それが今日、ペアワークで言語化された気がしてスッキリしました。
自分が一番嬉しいことってなんなんだろうってことをインタビューワークの中で見つけることができて感動しました。誰に届けたいかはまだぼんやりしている気がしますけど。

僕: Fさんの場合には、日常目に入る全ての人たち一人一人に対して「この人たちにどんなもの(エンタメ)を届けられたらもっとこの人たちの人生を輝かせることができるんだろう?」という問いを立てて過ごしていると面白いかもしれないですね。そうすると自分はどんな人たちについて考えるのが楽しいのかもわかってくるかと思います。

Fさん:そうですね。そういうことをやってみたこともあったんですけど、その中で本当に自分に不足しているなと思ったのが、ついつい自分と同じような人たちのことしか考えないなということで。
子どもに対してどうとか、おじいさんおばあさんに対してどうとかをあまり考えてないよなってすごく思います。

僕:仮にそれが自分の嗜好性として自分と同じような年代の人たちの方がリアリティがあるから面白いって話だったらそれでいいんですよ。
自分と同じ世代の人たちに対して、例えば次の5年間で何を残せたらめちゃめちゃ面白いのかなみたいなことを考え続けると良くて。
「自分と同じ世代に届けるものは今世の中にあるもので既に十分だと思いますか?」
と問いかけてみるとたぶん答えは「ノー」なはずです。もっとこんなものがあると豊かになるんじゃないかとか、こんな体験が提供できたら面白いんじゃないかとか、もっとこんなメッセージが届けられたらいいんじゃないかとか、そこがたぶん次のテーマになるんだと思います。

Fさん:なるほど。でも、こんなことを提供できたらもっと豊かになるんじゃないかって、幅広いじゃないですか。僕の中ではまだテーマを選びきれていなくて。できることはそれこそ無数にあって。でもその中で「これだ!」って決めて覚悟を持って突き進んでいくためにはどういったものが必要になってくるんでしょうか?

僕:すごくシンプルな話で「覚悟を持って」っていう枕詞を外すことですよ。覚悟って決めるものではなく決まるものなんです。「これをやらなかったらあとで死ぬほど後悔するからなんとしてもやらせてくれ」というテーマが見つかれば、周りから何を言われようがやりきろうとするはずなわけで。覚悟を持って突き進みたいテーマが見つかるかどうかが一番のポイントだと思います。


考えることが明確になること

3時間のワークショップの中からインタビューワークに絞ってご紹介してきました。

お伝えしたかったのは、このワークを通して得られる対話によって、これから自分が考えていくべきことが明確になるということです。時間はかかりますが、良質な問いがたくさん見つかるはずです。

みなさんもぜひ、利害関係のない相手を一人見つけて、しっかり時間を確保してやってみてください。

ではでは。


ライター紹介

このnoteの連載は、浜岡範光さんが口頭で語った内容を大学生ライターのりょーやが編集し書き起こししてお届けしています。

読者のみなさんからの質問等にはもちろん浜岡さんがお答えします。

またこの連載は、作家の卵で、今は大学生をやりながらライターをしているりょーやを応援するというプロジェクトでもあります。

みなさまからいただいたサポートは、彼が夢を叶えるために全額投資させて頂きます。

応援よろしくお願いします。

僕(りょーや)自身のnoteではかなりラフに自分の考え事や創作を発信しておりますのでよろしければそちらもぜひ👇


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