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リクルートのエース達に話を聞いてわかった良い失敗とは?

上手くいかなかったらどうしよう…。「失敗を恐るな」なんてムリ…。

その不安は人の心理として当然です。誰もが失敗することなく成功したいものですし、順調に成果をあげたいものです。

とはいえ、人生に失敗が付き物であることも当然のこと。

今回のテーマはずばり、失敗について。

恐れるべき悪い失敗もあるけれど、自分にとってプラスでしかない良い失敗もあるよという話をします。

良い失敗をし、悪い失敗を避けるためにはどうしたら良いか考えてみました。


リクルートのエースたちに尋ねてわかった意外なこと

リクルートの人事で採用担当をしていたことがあります。その時、会社からの指令で各事業のエース人材にインタビューをすることになりました。

趣旨は、エース人材である彼ら彼女らの学生時代から今に至る変遷を探ることで、どんな学生を採用すればいいかイメージを持とうというもの。

ホットペッパーやゼクシィ、じゃらん、スーモ、リクナビのトップ営業の方々をみっちり取材してきました。

少なくない人数にインタビューを敢行してきましたが、この時話を聞いたほぼ全員に共通している過去がありました。

それは、キャリアの始め頃、仕事への強い思いはあるものの全然上手くやれていなかったという過去です。

聞いてみると、今の彼らからは想像できないような大変な失敗の話がたくさん出てきたんですね。

しかし、彼らの失敗はすべて、僕が考える良い失敗でした。
なぜなら、その失敗が自分の実力に絶望する経験となっていたからです。

一体どういうことでしょうか?


良い失敗が生む絶望が人を変身させる

取材させていただいたあるトップ営業の方は、キャリアの最初の半年間、同期が数百人いる中で営業成績がビリだったと言います。
またある方は、お客さんのためと思って頑張っていたのに、結果としてお客さんからクレームがたくさん入り「あなたは自分のためにしか仕事をしていない」と言われた過去を持っていました。

今はエース人材の彼らは、このような辛い経験の後でまさに絶望と言うにふさわしい落ち込みを経験していました。

しかし、興味深いことに彼らは「あの時の絶望が今の自分を支えてくれている経験だ」と言うのです。

絶望は、彼らのそれまでに培ってきた考え方ややり方を捨てさせました。絶望を伴うその失敗で彼らはガラリと変わっていたのです。

ここに、良い失敗の鍵があります。

今の自分ではダメだと痛感し、失敗の前後で考えや行動がガラッと変わる、これが良い失敗の大きな特徴なのです

残念ながら、人は「今の自分のやり方では全然ダメなんだ」と言うことを痛感しない限り、自分がこうだと思う考えを捨てることが困難な生き物です。

今の自分よりももっと目指す姿に近づくためには、今の自分の実力に絶望する経験も必要なのです。


悪い失敗は凡ミス

良い失敗は人を変えてくれると述べました。
一方、悪い失敗はどうかと言うとそうはなりません。

悪い失敗とは、いわゆる凡ミスです。

大事な会議で忘れ物をした、単純な計算ミスをしたといった、そういう類の自分の怠慢によってなされたものです。

言い換えれば「これをすると失敗するぞ」と知っていてする失敗。今の自分の能力の範疇で難なくできていたはずなのにという失敗と言えます。

こういう失敗は「次から気をつけよう」というくらいにはなるかもしれませんが、それだけです。その人の考えや行動を転換させる力はありません。


目指す姿と今のギャップ

良い失敗を経ずしてなりたい姿に近づくのは難しいことです。

唐突に思われるかもしれませんが、目指す自分と今の自分のギャップとは単にスキルの差の問題なのでしょうか?

そうではありません。

たとえば、普通の営業マンとトップ営業マンでは必ず営業力以外のところにも差があります。それは、お客さんに対するスタンスであったり、一緒に働く仲間に対する考え方であったり、事業というものをどういう視点から捉えるかあったり、そういった〇〇スキルという言葉では説明がつかないことの組み合わせで成り立っています。

ということは、目指す姿になっている自分は今の自分とは違う信念体系を持っているはずなのです。つまり、今の自分の信念体系を捨て去るきっかけが必要なわけです。

ここで、先ほどまでの話とつながります。良い失敗が必要なのです。

どうすればいいのか?
自分で良い失敗を招けばいいのです。

良い失敗を招く挑戦とは

成長するには、良い失敗が必要です。また良い失敗には今の自分の実力に対する絶望を伴うと述べました。

筋肉を鍛えるには筋肉をいじめる必要あがありますし、骨は骨折後に以前より強くなりますがそれと似ています。

意図せぬ骨折ではなく、意図して行う筋トレのように良い失敗を招けば今の自分を刷新し成長することも可能です。今の自分の実力に対して分不相応なチャレンジをすれば良いのです。

もちろん、前提として、それを成し遂げた先にあるものを信じられることや、それをやりたい・やり続けられると思えるというのは必要です。

その上で、今の自分の能力だけではどうにもならなそうなことに挑戦してみる。そうすれば、高い確率で良い失敗を経験することができます。

良い失敗とはいえ、やはり失敗は苦しいものです。

しかし、良い失敗では失うものはありません。

たとえ失ったように思えたとしても、必ずその先で取り返せるはずです。先ほど紹介してきたエース人材の方々を思い出してみてください。大丈夫です。

最近良い失敗をしていないなと感じていたら、ストレッチした挑戦をするべきタイミングかもしれません。


ざっくりまとめ

失敗には自分を成長させてくれる良い失敗と、成長をもたらさない悪い失敗がある。良い失敗には「今の自分ではダメだ」と痛感させられるが、その絶望こそ自分を大きく変えてくれるきっかけになる。今の自分ではどうにもならなそうな挑戦をして良い失敗を招こう。



ライター紹介

このnoteの連載は、浜岡範光さんが口頭で語った内容を大学生ライターのりょーやが編集し書き起こししてお届けしています。

連載は、作家の卵で、今は大学生をやりながらライターをしているりょーやを応援するというプロジェクトでもあります。

みなさまからいただいたサポートは、彼が夢を叶えるために全額投資させて頂きます。

応援よろしくお願いします。

僕(りょーや)自身のnoteではかなりラフに自分の考え事や創作を発信しておりますのでよろしければそちらもぜひ。

読者のみなさんからの質問等にはもちろん浜岡さんがお答えします。




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